乱倫×泡パーティの大型イベントを警察が監視し、目玉企画は直前に中止「せっかく検査結果を提出したのに…」と参加女性は不満タラタラ。規制強化もなぜ乱倫イベントはなくならないのか

7月22日、千葉県木更津市で300人規模の“大人向け”泡パーティが開催された。しかし、イベントの目玉である“ドスケベエリア”が突如中止に追い込まれる事態に。いったい何があったのか。そもそも“大人向け”泡パーティとはどんなイベントなのか。関係者や参加者から話を聞いた。
2022年6月12日、静岡県警は浜名湖湖畔の貸別荘で120人規模の大乱倫パーティーを主催した自称・自衛官と自称・看護師の50代夫婦が、公然わいせつほう助容疑で現行犯逮捕されたのも記憶に新しい。昨今、こういった大規模な破廉恥イベントは開催しづらくなっているなかで、今年7月22日、千葉県木更津市にある1万3000㎡もの広大な敷地を持つ大型スタジオで、とある大人向けの“泡パーティ”が開催された。泡パーティとは、地中海に浮かぶ楽園・イビサ島の名物で、“泡マシン”から放出される泡にまみれて音楽とダンスを楽しむ“パリピ”向けのイベントのこと。これにアダルト要素を融合させるという新たな発想が一部の好事家たちの間で話題になっていたのだ。アダルト系イベントに詳しいライターの吉良直樹氏は言う。
イベント当日、泡パーティの様子
「このイベントは『メガビッグボーイの会』という2019年5月に設立された巨根男子と巨根好き女子が集まるサークルが主催しました。彼らはエロだけでなく、パリピを純粋に楽しませることを目的に、これまでいろいろなイベントを細部にまでこだわって企画、開催しています。今回のイベントは1年前から開催スタジオを探し、飲食コーナーの出展、セクシービデオでおなじみのマジックミラー号を模した車をつくって会場内に展示するなどエンタメ性の高いイベントでした」このイベントに参加を予定していた教育機関の事務員、アヤカさん(仮名・43歳)は言う。
「このイベントは変態界隈でかなり前から口コミで広がっていたんですが、参加当日まで開催場所は非公開という警戒ぶり。当日も木更津駅に迎えにくるマイクロバスに乗って会場に向かいました」参加希望者は今年5月ごろからイベント公式Twitterで募っており、そこにDMを送ると主催者から支払い方法の連絡が届き、入金後に「参加者用サイト」のURLが送られてくる仕組みだったという。
参加者用サイト
「参加費は男性1万5000円、女性5000円、私は5月の早割で申し込んだので2800円、彼氏は9800円でした。会場内の飲食店や体験を利用するには独自通貨“Pacol(パコル)”を使います。来場者全員に1000 Pacolが配布されるなど、主催者は赤字覚悟の開催だなって思いましたよ。プールや露天風呂は使い放題、メインイベントの“泡パ”でも踊りまくって、コスパ最強のイベントでした」(アヤカさん)
独自通貨「Pacol(パコル)」と飲食・サービスメニュー
しかし、彼らにとって本当のメインイベントは泡パではなかった。「〇〇〇ランド」と命名された(名称自粛)という“ドスケベエリア”こそが、このイベントの目玉だったのだ。《性病検査必須! 性器洗浄必須! ゴム必須! で運営します》《「○○○ランド」で遊びたい方は以下の手順に従って、7月20日(木)までに性病検査結果の提出をお願いします》
ドスケベエリア「〇〇〇ランド」説明ページ
「参加者用サイト」にはこのような刺激的な文言が並んでいた。しかし……。「開催2日前に警察に通報が入り、主催者に警告があったみたいなんです。参加者用サイトにはドスケベエリアの中止がアナウンスされてたみたいだったんですが、私はサイトを見ておらず会場に到着したときに知らされて。ドスケベエリアでヤリまくる予定が……せっかく性病検査結果まで提出したのに!」(アヤカさん)
アヤカさんが提出した性病検査結果
会場となったのはふだんテレビや映画、成人向け映像作品のなど商業撮影のために使われるスタジオ。このスタジオ担当者が当日の様子を語る。「主催団体との事前のヒアリングとは内容が全然違っており、まさかこのようなイベントが行われるとは当日まで認識していませんでした。当日は制服の警察官が数名立ち入って監視をしていたようです」さすがに警察の目の前で破廉恥行為を行うことはできず、結果的に健全にイベントを楽しむことを強いられた参加者たち。参加者用URLで情報を発信するなど、外部の人間に極秘で進められていたイベントが警察にリークされてしまった理由を「仲間割れによる通報ではないかとの声もあります」と前出の吉良氏は話す。
今回のイベントの会場マップ。「〇〇〇ランド」には意味深な「???」が
しかし、昨年、浜名湖湖畔で開催された乱倫パーティでは警官230人を動員して大規模摘発するなど、この手のイベントの規制は厳しくなるばかり。それでもなぜ開催されるのか。「今回ほどの規模のイベントはそうそうありませんが、小規模の乱倫パーティはかなり増えている印象です。何組かの顔見知りのカップルでやるプライベートパーティもあれば、サクラの女性を雇った孤独な男性向けのパーティもあります。特に孤独な男性向けの商売は稼げますから。イベント主催者はある程度、摘発覚悟なのかもしれません」(吉良氏)だとしても……乱倫はダメ、ゼッタイ!取材・文/河合桃子集英社オンライン編集部ニュース班