ロシアの侵攻を受けるウクライナから千葉県内に避難した4家族11人が29日、茂原市の茂原七夕まつりを訪れた。自分たちで書いた平和を願う短冊が会場の商店街に飾られ、子どもたちは金魚すくいやけん玉といった日本文化を楽しんだ。
茂原市では、市民有志でつくる「アマビエの会」(鈴木信一代表)がウクライナ支援の募金活動を行っている。3月には同国から県内に避難したパンコーヴァ・オルガさん(44)を招いた講演会を市内で開き、6月には平和を願うアマビエ像を同国大使館に寄贈。
こうした縁から、同会が茂原最大の祭典に11人を招待した。事前に願い事を書いてもらった短冊をササ飾りにくくりつけ、商店の協力を得て店先に設置した。
短冊は避難民や大使館職員が書いた67枚。同まつりを訪れたオルガさんによると、ウクライナ語で「一日も早く平和が訪れますように」「元の人生に戻れるように」などの願いが書かれているという。
一行は鮮やかな七夕飾りを鑑賞しながら出店を散策。オルガさんの息子の小学6年生、パンコーヴ・ジェーニャ君(11)と、5年生のチュマック・マルコ君(10)は「金魚ゲーム(すくい)が一番楽しかった」と声を弾ませ、自分たちの短冊を見つけて喜んでいた。マルコ君の母親のイリナさん(37)は「日本の文化を知り、とてもおもしろかった」と笑顔を見せた。
まつりの開会式に登壇したオルガさんは「ウクライナをサポートしてくれて心から感謝。茂原市民のようなすてきな人たちに恵まれうれしい」と話していた。