アルゼンチンへの装甲車両の輸出を断念へ ブラジル政府が無理だと判断した理由もごもっとも?

ウクライナに続いて2例目の拒否。
ブラジルのルーラ政権は現地時間の2023年7月21日、グアラニ装甲車をアルゼンチン軍に売却することを断念する方針を固めました。
アルゼンチンへの装甲車両の輸出を断念へ ブラジル政府が無理だ…の画像はこちら >>水面で試験中のグアラニ装甲車(画像:ブラジル陸軍)。
この件は、ブラジルのフェルナンド・ハダド財務相が地元メディアに話し明らかになりました。断念の理由に関してはアルゼンチン政府の財政難による債務不履行の危険性を考慮しての判断のようです。
このグアラニ装甲車購入の契約は、今年1月にマウロ・ビエイラ外務相がアルゼンチンに訪問中に交わしたもので、161台のグアラニ装甲車を総額19億3000万レアル(約570億円)で購入することになっていました。
2023年3月には、アルゼンチンのホルヘ・タイアナ国防相がブラジルを訪れ、ブラジル国立経済社会開発銀行(Bndes)のネルソン・バルボサ理事と会談し、グアラニ装甲車購入するために融資の可能性について話し合ったという報道もありました。
なお、アルゼンチンは長年の不況によるドル不足に苦しんでおり、アルゼンチンにドル準備を使わせずにブラジルの輸出品を買ってもらえるよう、2023年1月にルーラ大統領が共通通貨の構想を提案したこともありますが、その際は「おとぎ話である」という批判も起きました。
ちなみに、6月27日にもウクライナへのグアラニ装甲車の売却を拒否していますが、同件に関してはロシアやベラルーシから大量に肥料を輸入していることへの配慮ではないかと噂されていました。