死者・行方不明者63人。戦後最悪の火山災害となった御嶽山の噴火からまもなく9年です。火口近くに位置し、多くの犠牲者を出した八丁(はっちょう)ダルミへの立ち入り規制が解除されました。
あの日時速300キロで噴石が登山客を襲った 多くの犠牲者を出…の画像はこちら >>
(2014年9月27日 視聴者提供映像より)「怖い、ちょっと待ってどうしたらいいの」「やばいなこれ」(荘司和也カメラマン報告)「御嶽上空です。たくさんの場所から煙が上がっているのが確認できます」2014年9月27日。岐阜県と長野県にまたがる標高3067メートルの御嶽山が噴火しました。
CBC
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地下水などが、マグマに熱せられた水蒸気爆発によるもので、時速300キロで噴石が登山客を襲いました。死者58人、行方不明者は5人…戦後最悪の火山災害でした。
あれから9年が経つのを前に、29日新たな動きが。(吉田翔記者)「御嶽山の噴火から9年が経ち、きょうから八丁ダルミが通行可能になったことを受け、登山口には多くの人が訪れています」王滝頂上と最高峰の剣ヶ峰を結ぶ八丁ダルミ。火口東側で噴気孔近くに位置し、多くの犠牲者が出たこの尾根筋は、噴火以来一般登山客の立ち入りが規制されていましたが、避難シェルターを設置するなどして安全が確保されたとの判断で、29日通行が可能になったのです。
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午前6時半、標高2200メートルの登山口「田の原」では、火山研究者らが入り口で注意事項が書かれたチラシを配り、安全な登山を呼びかけました。「安全啓発をしていまして、注意事項が書かれている」そのうちの1人、名古屋大学で火山を研究しているキム・ヘンユン特任講師。
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御嶽山の麓に研究施設はあります。長野県木曽町の「道の駅」に去年8月に開設された木曽町御嶽山ビジターセンター「さとテラス三岳(みたけ)」。併設された研究施設では御嶽山やその周辺で発生する、地震や火山性微動などを常時観測しています。
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(名古屋大学 キム・ヘンユン特任講師)「登山前に必ず火山情報を収集した上で、登っていただきたい。山に登る際には火山ガスのにおいがちょっときつかったり、地鳴りがしたりとか、そういった異変や違和感を感じたら下山することも必要」この日、CBCテレビ取材班も「八丁ダルミ」に向かいました…。
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(吉田翔記者)「山を登り始めておよそ2時間。ここから先が想定火口域になります。登山道の道幅は2、3メートルで急な斜面が続くので、噴石などが落ちたら逃げるのは困難」
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ごつごつとした石が足下に続く登山道を進みます。「午前10時前です。およそ3時間山を登り、八丁ダルミの手前まで到着しました。ここから先はおよそ9年間立ち入り禁止になっていたんですが、この後10時半から通行可能になる予定です」
八丁ダルミ入り口の王滝頂上には、立ち入り規制の解除を待つ多くの登山客がいました。そして…。(長野・王滝村 越原道廣村長)「規制緩和を行います。安全に登山を楽しんでください」
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午前10時半。立ち入り規制が解除されました。王滝村は安全確保のため、ヘルメットの着用や速やかに移動することを呼び掛けています。さらに…(吉田翔記者)「こちらが噴火が起きた際、身を守るためのシェルターです。30人収容できるということで、こちらと奥にあるもの、八丁ダルミには合わせて2つのシェルターがあります。ただ他に身を隠せるようなものはなく、噴火が起きた際にこれで全ての人の命を守れるのか疑問が残ります」高さ2メートル14センチ、幅2メートル50センチの鋼鉄製の避難用シェルターが2つ。再び噴火が起きた際、果たしてこれで安全確保は十分なのか、王滝村の越原村長に尋ねました。
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(長野・王滝村・越原道廣(こしはら・みちひろ)村長)「確かに言われる通り(シェルターが)多ければ多いほど安全かもしれないけれど、設置できる場所も制約されるので当面この2つと考えている」シェルターを設置できる平らな場所に限りがあるため、当面はこのままです。
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安全対策について訪れていた登山客は。(登山者)「遺族の方ももうちょっと(遺品を)探したいというのもあったかもしれないけれど、僕ら(登山者)もこのルートを使いたいというのもあったし、何とも言えない」「涙が出てきました、まだ見つかっていない人がいるでしょ。(9年前)たまたま噴火の日に登るのを予定していたが、一緒に登る方がちょっと自信がないからやめますということでやめて、命拾いした」「『ここで噴火が起きたらまず助かるのは難しいだろうな。逃げるのは大変だっただろうな』と思いながら歩いた」
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多くの犠牲者が出た八丁ダルミ。今シーズンは10月11日まで通行が可能です。国内の活火山は111。御嶽の教訓を忘れてはなりません。