機内セクハラが訴訟に発展 怯える被害者に乗務員ら助けることなく「我慢して」

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機内で体調が悪くなったとき、トラブルや緊急事態が発生したとき、唯一頼りになるのが客室乗務員たちだ。正直なところ、機内に医師や警察官が乗っていない限り、乗客は乗務員にすがることしかできないという。
そんな中、アメリカではあるフライトでセクハラが発生。乗務員たちの無責任な対応が波紋を広げていることを、『NEW YORK POST』や『FOX』が報じた。
7月26日、アメリカ・デルタ航空の旅客機が、ギリシャのアテネに向け、ニューヨーク州のジョン・F・ケネディ国際空港を出発した。
ところが飛行中、男の乗客1人が機内サービスのウォッカを立て続けに注文して泥酔。乗務員は、それを止めることなく10杯ものウォッカを提供した。
それを飲み干し、完全に酔いが回った彼は、近くに座っていた女性とその16歳の娘にちょっかいを出し始めたという。
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男は少女の背中に手を回し、体を触りながら大声をあげ、住所や連絡先などプライベートなことを質問。注意をした母親に対しては、「未成年でも関係ない」などと発言した。
母親は乗務員に助けを求めたが、彼らは「我慢して」と言うだけで、男がトイレに立った際にはワインまで提供。男を別の座席に移動させることもせず、「どうか静かに」と注意するだけだった。
その注意に逆ギレした男は親子に「くそったれ!」と暴言を吐き、娘はパニック発作を起こし、母親の膝の上に顔をうずめた。すると男は、なんと母親の背中からシャツの中に手を入れたという。
さらに男の手は母親の脚にも伸びてきた。彼女たちは叫ぶように泣きながら、乗務員らの元へ逃げたという。
母親と娘は警察に通報しようとしたが、乗務員は「落ち着いて、よく考えて」とそれを制止。ふたりを別の座席を用意し、目的地に到着すると男をさっと降機させた。
空港スタッフは親子への謝罪として、マイレージサービスに5,000マイルを上乗せしたが、怒りが収まらないふたりはその後、ブルックリン連邦裁判所で200万ドル(日本円にして約2億8,000万円)の損害賠償を求める裁判を起こした。
訴状には「事態を把握しながら、乗務員らはアルコールを提供し続けた。被害者は訴えを無視され、9時間の飛行は悪夢のようだった」などと記されているという。