関東地方を中心とした広域強盗事件を巡り、1月に発生した大網白里市の事件に関与したとして、強盗致傷などの罪に問われた元自衛官、中桐海知被告(24)の裁判員裁判の判決公判が2日、千葉地裁で開かれ、守下実裁判長は「被告の果たした役割は重要で厳しい非難に値する」として懲役3年(求刑懲役5年)の判決を言い渡した。
守下裁判長は判決で、被告の役割は「誰でもできる簡単なもののように思えるが、運転役がいたからこそ実行役が心置きなく犯行に専念できた」と指摘。犯行資金の送金やレンタカーの手配をするには名前を明らかにする必要があり、摘発される可能性が高くなるが、被告は進んで担当しており「犯行グループにとって貴重な存在で、役割は重大だった」と指弾した。
被告は犯行に消極的で、「三橋」と名乗る指示役に従っただけとする弁護側の主張は「被告は仕事が強盗であると認識した後もためらう言動はなく、進んで指示を仰いでいる」とし、「非難の程度を大きく下げる事情とは言えない」と退けた。
判決言い渡し後、守下裁判長は「十分反省していると思うので、今後このようなことをしないように」と説諭した。
判決によると、永田陸人被告(21)=強盗傷害罪などで起訴、作田竜二被告(25)=同=と共謀し、1月12日夜、同市内のリサイクルショップに金品強奪目的で侵入。同店の店長(76)を脅して顔を拳で複数回殴るなどし、頬や鼻を骨折させるなど全治約2週間のけがを負わせた。