“盗撮犯狩り”集団がマネた「劇団型盗撮ブラックハンター」大金巻き上げの手口

「盗撮ハンター」は獲物を見つけては、「会社にバレたらクビだよ」と脅し、盗撮犯から大金を巻き上げていた。
路上で女性を盗撮した男性に声をかけ、現金100万円を脅し取ったとして、いずれも無職の笹尾翼(33)と松岡洸太郎(34)、職業不詳の酒井勇志(26)ら3容疑者が先月26日、恐喝などの疑いで警視庁池袋署に逮捕された。
3人はそれぞれ役割を分担し、犯行を繰り返していた。
昨年8月18日午後5時35分ごろ、「物色役」の酒井容疑者がJR池袋駅(東京都豊島区)近くの路上で、女性の下半身を背後から盗撮していたターゲットを発見。酒井容疑者から連絡を受けた「声掛け役」の笹尾容疑者が男性に近づいて腕を掴み、「携帯出せよ。盗撮しただろ。認めなかったら、警察に連れて行くぞ」とスゴんで近くの商業施設に誘導し、松岡容疑者に引き渡した。
■示談金は最低100万円
女性の「代理人」を名乗る松岡容疑者は、男性の身分証を撮影しながら「示談金は最低100万円。このことがバレたら人生台無しになるよ」と脅し、消費者金融でカードを作らせ、限度額いっぱいまで借金させ、現金100万円を用意させた。
池袋駅周辺では、同様の被害相談が多数寄せられていることから、警視庁は3人が同様の行為を繰り返し、他にも仲間がいるとみて行方を追っている。
「物色役」がどうやって盗撮犯を見つけていたかは不明だが、それだけカネを巻き上げられた被害者(盗撮犯)がいるということは、池袋駅周辺では、盗撮行為が後を絶たないということだ。そこに目を付けた松岡容疑者は、2018年に同様の手口でパクられた友人の「簡単に稼げる方法がある」というアドバイスに従い、中学時代の野球チームのメンバーらに声を掛け、「盗撮ハンター」を結成した。
「18年当時、逮捕された5人組は、盗撮された女性の交際相手や親族を演じて示談金を要求することから、捜査員の間で『劇団型盗撮ブラックハンター』と呼ばれていた。リーダー格の男は、JR原宿駅や舞浜駅で女性を盗撮していた男性の後をつけ、『ずっと見てましたよ。オレの彼女を盗撮しただろ。警察に突き出す。示談金は100万円』と迫り、現金を脅し取っていた。
被害男性には交際相手を名乗っていたが、女性は盗撮されたことに気づいておらず、男と面識もなかった。押収したリーダー格の男のパソコンには、被害男性が盗撮を謝罪する姿を撮影した動画約30件が保存されていた。グループは同様の手口で、約3000万円を脅し取っていた」(捜査事情通)
松岡容疑者はシャバに出てきた「元祖ブラックハンター」のメンバーから、数々の「武勇伝」を聞かされたのだろうが、マネする方もされる方もロクでもない連中だ。