みるみるうまくなる9マス美文字練習帳 第1回 ひらがなだけがもつ「キレイポイント」を意識する

手紙や書類、署名など、文字がきれいに書けると楽しいものです。「字が上手になる」と話題の「9マス美文字」を実践できる、『みるみるうまくなる9マス美文字練習帳』(著・根岸和美、あさ出版刊)より、美文字を書くコツをご紹介します。

前編は、「ひらがなだけがもつ『キレイポイント』を意識する」です。
○ひらがなだけがもつ「キレイポイント」を意識する

「ひらがな」には、書く際に意識することで美しく、雰囲気のある字になる「キレイポイント」があります。

これは、ひらがなの成り立ちに関係があります。

ひらがなは「漢字」からつくられ、平安時代に完成しました。漢字は画数の多い文字が多く、楷書体は1文字書くだけでも労力を要することから、漢字の点画を省略した「草書体」が生まれました。

この草書体をさらに簡略化したり、一部のみを使ったりして、労力少なく書くことのできる「ひらがな」ができたのです。元となる漢字を踏まえて書くと、その文字の持つよさが引き出されます。

ひらがなの「キレイポイント」は次の3つです。
○ひらがなの「キレイポイント」

丸みのあるふっくら線
見えない線でつなげる
三角にむすぶ(三角むすび)

○1.丸みのあるふっくら線

この「丸みのあるふっくらした曲線」はひらがな特有の線であり、この線がキレイに書けると「ひらがなの美」を効果的に表せます。元になる「草書」が線の動きを大切にしているなごりからです。

余分な力を入れずに、なめらかに書いてみましょう。新しいペンの試し書きでクルクル円を描く時のような自由な感じで書くとキレイな線になります。

○2.見えない線でつなげる

ひらがなの元になった草書は、省略した点画を曲線で結びながら書きます。そのため、ひらがなも「見えない線で点画をつなぐ」つくりになっています。

たとえば、「は」の字の元の字(字母)は「波」です。

「サンズイ」のハネた線の先と次の書き出しを「目に見えない線」でつなぐように書きます。

実線はなくてもつながりを大事に書くことで「ひらがなの美」が発揮されます。

見えない線でむすぶコツは、「ハネたら次の着地点まで空中でも手を動かす」ことです。この時「途中で休まず一気に書く」ようにすると文字の中に「線の流れ」が生まれ、ひらがなの美を引き立てます。

本文では「→」で見えない線を示しています。
○3.三角にむすぶ(三角むすび)

「三角むすび」とは、「す」「ま」「な」「ね」などの、文字の中で輪をつくる部分です。

以下の3つの手順を意識すると、驚くほど美文字力がアップします。

「三角むすび」は、ひらがなにしかない独特の形です。そのことを意識して「むすび」の部分を書くと、文字への理解が深まり、字形がよくなります。

「ひらがな」には「いにしえ人」が残してくれた、日本独特の文化が詰まっています。

何気なく書いてきた「ひらがな」の価値を発見し、愛おしみながら書いていただけたら、ひらがながもつ美しさにあなた自身が魅了されることでしょう。
○『みるみるうまくなる9マス美文字練習帳』(著・根岸和美、あさ出版刊)

9マスを使うことによって、点の位置、線の長さがより具体的に理解でき、文字バランスがカンタンに整う!!
普段よく使う、ひらがな、カタカナ、漢字、ビジネス用語の書き方を多数紹介しているほか、
心をポジティブにする名言も掲載。
「見て、なぞって、書いてみる」だけでみるみるうまくなるのが実感できます。
これまでになかった、上手に文字を書くコツやセンスが身につく1冊です。

著者:根岸和美
出版年月日:2023年5月23日
ISBN:9784866674278
定価:1,430円
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