“環境整備”の翌日に降格・異動人事も…ビッグモーター元従業員「正直問題はまだ出てくる」【新潟】

保険金の不正請求など問題が明らかになっている中古車販売大手のビッグモーター。不正事案が疑われている新潟県内の店舗に勤務していた元従業員は「問題はまだ出てくると思う」と会社の実態を語りました。

【元従業員】
「僕らも疑問を持っていたところだったので、そりゃそうなるだろうと。いずれ出てくる話かなとは感じていた」

一連の問題についてこう語るのは、新潟市南区の「ビッグモーター新潟南店」に勤務していた元従業員の男性です。

ビッグモーターをめぐっては、修理車にわざと傷をつけ、自動車保険の保険金を不正に請求していたことが判明。

男性が勤務していた新潟南店でも不正が疑われるとして国交省が検査しています。

また、各地で店の前の歩道の街路樹が枯れた問題では複数の店舗で除草剤をまいていたことを認めています。

こうした問題の背景として指摘されているのが、前副社長の存在です。

【元従業員】
「いわゆる環境整備。ロイヤルファミリーという幹部と副社長が来る2日・3日前くらいから店の掃除や整理整頓をひたすら重視してやる。朝の4時くらいまでいたときもあった」

前副社長が店舗の清掃状況などを点検する月に一度の“環境整備”は入念な準備をして迎えていたといいますが…

【元従業員】
「例えば、ゴミ一つ落ちていることで激怒されたときもあれば、機嫌というか気分次第で『その場で降格』という話も目の前で見たことがある」

実際に、その当日に流れてきたという人事異動の発表。当時の店長は「職位基準を割った」として、翌日付で市外の店舗への異動が命じられました。

こうして、“上の指示は絶対”という雰囲気の中で「問題はほかにもあった」と男性は明かします。

車の購入を検討する客に対し、ローンの案内をする際のこと…。

【元従業員】
「ローンというと、審査をして、審査の承認が下りたら正式な本申し込みをして、契約に移りましょうというのが本来の流れだが、仮審査という客の認識のところを、もう本申し込みをして契約まで行っちゃう。ローンをキャンセルして、車もキャンセルするのであれば、そのキャンセル料はご請求になりますよと。会社ぐるみで悪い言い方をすれば、詐欺まがい」

さらに、ローン審査を通すために、客の情報を書き換え申請した事例も聞いたといいます。

【元従業員】
「審査のときに収入を上乗せして通したという」

Q.おかしいと思いながらも社風としてあった?
「そうですね。それよりも『数字、ローンをとれ』という指示があるので」

ローン手続きの不正の疑いについてビッグモーターに問い合わせましたが、今のところ回答は得られていません。

精神的な苦痛などで退職を決めた男性は最後にこう口にしました。

【元従業員】
「正直言うと、まだ出てくると思う」