「アイロンの温度設定を間違えて、服が傷んだらどうしよう」「アイロンの温度を適切に設定する方法が知りたい」「お気に入りの服をきれいな状態で着用し続けたい」という方は多いのではないでしょうか。
衣服などに使われている素材によって、アイロンの適正温度が異なります。アイロンの温度設定を誤ると、生地が傷んだりシワが伸びるまで時間がかかったりするので注意が必要です。
そこで本記事では、アイロンの温度について解説します。適正な温度の確認方法やアイロンがけで失敗しないためのコツも分かる内容になっているので、ぜひ最後までお読みください。
アイロンの温度は、以下の3段階に分けられています。
生地の素材によって適している温度が異なるため、調整できるようになっています。温度の設定は、アイロンにあるダイヤルあるいはボタンで変更可能です。適切な温度に設定し、洋服などの生地の傷みを抑えつつ、しっかりシワを伸ばしましょう。
アイロンの温度は、生地の素材に合わせて調整する必要があります。素材に適している温度がわからないと、衣服などの見栄えが悪くなったり、アイロンがけに時間がかかったりすることも。ここでは、アイロンの設定温度が分かれている理由について詳しく解説します。アイロンが原因のトラブルを未然に防ぎたいという方は、ぜひ参考にしてみてください。
生地に熱に弱い素材が使われている場合は、高温のアイロンをかけると傷んでしまいます。特に、ポリウレタンやレーヨンなどの化学繊維は、低温に設定しないと溶けるリスクが高まるので要注意です。
また、アイロンが高温の状態で圧力をかけると、繊維がつぶれてテカリが発生することも。熱に弱い素材が使われた生地にアイロンをかける際は、80~120℃の低温にしましょう。
アイロンを高温に設定しないと、シワが伸びない素材があります。特に綿や麻は、アイロンが低温だとなかなかシワが伸びません。シワがなかなか伸びないと、アイロンがけに時間を要します。
高温でも耐えられる生地なら、設定温度を高めても問題ありません。高温に設定しておけば、必要以上に時間を要することなく、生地のシワをしっかりと伸ばせます。ただし、高温に設定した場合はアイロンの底が180~210℃になります。温度が高いほど短時間の接触でやけどをしてしまうので、高温に設定したアイロンを利用する際は特に注意しましょう。
アイロンの適正温度は、生地の素材によって異なります。高温でないとシワがなかなか伸びないケースもあれば、低温でないと生地に過度なダメージを与えてしまうケースもあります。また、高温と低温の間である中温が好ましい素材もあるので、適正温度を把握しておくことが重要です。ここでは、アイロンの適正温度を素材別に紹介します。素材ごとの特徴を理解し、アイロンがけによるトラブルを未然に防げるようになりましょう。
綿や麻は、温度が高くても耐えられる素材なので、アイロンは高温にしましょう。特に麻が使われている生地はシワが生じやすいため、高温にしないと時間を要してしまいます。
ただし、綿や麻にほかの素材も混ざっている場合は、180~210℃という高温に設定すると傷んでしまう可能性があります。生地が傷まないように、綿や麻に混ざっている素材に合った温度にするのがおすすめです。綿や麻が混ざっている分、時間がかかってしまうので、余裕のある時にアイロンをかけておきましょう。
生地がポリエステルやナイロンでできている場合は、中温に設定します。なぜなら、高温だと生地が傷み、低温だとシワが伸びずに時間がかかるためです。適正温度にすることで、衣服をきれいな状態で長く着続けたり、アイロンがけにかかる時間を短くしたりできます。
高温でも耐えられる綿や麻などにほかの素材が混ざっている場合は、中温が適している可能性も。例えば、綿にポリエステルが混紡されている場合は、中温にすることが多いです。綿だけでできている生地かどうかは、目視で判断できないことがあります。生地に過度な熱を与えると傷んでしまうので、アイロンをかける前に洗濯表示を見て、適正温度を把握しましょう。
アクリルやポリウレタンでできている生地にアイロンをかける際は、80~120℃の低温がおすすめです。アイロンが高温だと溶ける生地もあるため、適した温度設定にしましょう。
低温が適している生地は、スチームなしでも問題なくシワを伸ばせます。そもそもアイロンの温度が100℃を下回ると蒸気が発生せず、スチームが出ないことも。また、蒸気をかけないほうがよい素材もあるため、低温に設定した時は基本的にスチーム機能は利用しないようにしましょう。
洗濯表示を確認すれば、アイロンの適正温度を確認できます。洗濯表示は、衣服の裏側などの目立たない部分に縫い付けられています。適正温度を調べる際は、アイロンマーク内に表示されているドットの数を確認しましょう。アイロンマーク内のドット数に対する、アイロンの適正温度と底面温度の上限を以下の表にまとめました。
洗濯表示は、2016年12月1日に記載方法が変更されました。2016年11月30日までの洗濯表示の場合は、アイロンマーク内に温度を表す漢字が記載されているので、確認してみてください。また、底面温度の限度が異なるだけでなく、好ましい温度帯も指定されています。2016年11月30日まで適用されていた洗濯表示に対応したアイロンの適正温度は、以下の表の通りです。
中には、アイロンにバツマークがついていることがあります。バツマークがついている場合は、アイロンをかけないようにしましょう。
アイロンの温度設定を誤ると、なかなかシワが伸びずに時間がかかってしまうことがあります。また、アイロンの温度が高すぎると、生地を傷めてしまうため要注意です。ここでは、アイロンの温度設定によって失敗しないためのコツを紹介します。アイロンの温度が原因の失敗を未然に防ぎたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
洗濯をした衣服などを干す時にシワを伸ばしておくと、アイロンをかける手間を軽減できます。生地は、濡れた状態から乾くまでの間で生地にシワが生じるので、洗濯を干す際のひと手間が重要です。洗濯物を干す時に生地を手で叩いて平にしておくと、シワが伸びた状態で乾燥します。
また、夏場などは脱水せずに干すのもおすすめです。脱水しないことで、洗濯物がしっかりと濡れている状態でシワを伸ばせます。事前にシワを伸ばしておけば、アイロンをかける時間を短縮可能です。特に朝や出かける前などにアイロンを利用する方は、洗濯物を干す時のひと手間で、時間に余裕が生まれるでしょう。
アイロンをかける際は低温から始め、高温まで段階的に温度を上げていきます。低温から順番に温度を上げていくと、生地に過度なダメージを与えるリスクの軽減が可能です。さらに、事前にアイロンをかける衣服などを適正温度別に分類しておくと、よりトラブルを防ぎやすくなります。低温でないと溶ける生地に、誤って高温のアイロンを当てるような事態を防げるからです。
また、低温から段階的にアイロンの温度を上げると、時間短縮にもなるというメリットもあります。なぜなら、温度を下げる時よりも上げる時のほうが時間がかからないためです。初めに高温に設定すると、中温や低温に下がるまで待たないといけません。アイロンをかける際にかかる時間を可能な限り短縮するためにも、低温から順番に温度を上げていくのがおすすめです。
アイロンをかける際にあて布を利用すると、生地へのダメージを軽減可能です。アイロンと生地の間にあて布があることで、熱に弱い素材がテカってしまうなどトラブルを防げます。アイロンの先端が繊維に引っかかり、生地を伸ばしたり傷めたりするリスクも低減可能です。また、アップリケをつける時など、生地の一部にアイロンを押し当てる場合もあて布を使うのがおすすめ。
あて布は、アイロンがけ専用のものも販売されています。適した厚さになっているので、生地を守りながらしっかりとシワを伸ばすことが可能です。
あて布を用意する手間を省きたい場合は、ハンカチや手ぬぐいで代用できます。ハンカチや手ぬぐいを使う場合は、厚みがなく、白いものを選びましょう。薄めのものを使うことで、生地に熱が伝わってシワをしっかりと伸ばせます。白いハンカチや手ぬぐいがおすすめなのは、色移りしないためです。生地に過度なダメージを与えることなく、しっかりとシワを伸ばしたいなら、アイロンとの間にあて布をはさみましょう。
アイロンのスチーム機能を活用すると、生地が必要以上に平たくなる事態を防げます。また、蒸気をかけることでシワが伸びやすくなるというメリットも。生地を湿らせると、シワが伸びやすくなるという性質を利用します。生地から少し離した状態でスチームをかけた後に、アイロンを直接当ててシワを伸ばしましょう。
アイロンにスチーム機能がない場合は、霧吹きで代用可能です。シワを伸ばしたい部分を濡らした後に、アイロンをかけます。ただし、シルクなど水気に弱い素材にはスチームをかけないようにするのが大切です。アイロンのスチーム機能を利用する際は、事前に生地が水に弱くないか確認しましょう。
ファスナーやボタンがあるなど、凹凸があってアイロンをかけにくい場合は、生地の裏側からアイロンをかけるのがおすすめです。凹凸があるとアイロンがけに手間取り、長時間熱を与えることになります。熱を与える時間が長いほど、生地が傷んでしまうので要注意です。また、アイロンが当たってボタンが変色したり溶けたりするリスクもあります。
衣服にファスナーやボタンがある場合はひっくり返し、裏側からアイロンをかけましょう。表側よりも生地の裏側のほうが平坦なので、アイロンをかけやすいです。
アイロンの設定温度は、以下の3段階に分かれています。
なぜなら、生地の素材によって適正温度が異なるためです。アイロンの温度が高すぎると生地が傷み、低すぎるとなかなかシワがなかなか伸びません。適正温度は、洗濯表示に記載されています。アイロンをかける際は洗濯表示を確認し、適正温度に設定しましょう。
[文・構成/grape編集部]