クロス・マーケティングは8月1日、「防災に関する調査(2023年)」の結果を発表した。調査は2023年7月14日~7月16日、20~79歳の男女3,000名を対象にインターネットで行われた。
日本で猛暑日が続く7月、WMO(世界気象機関)は世界の平均気温が観測史上最も高くなるとの見通しを発表するなど、気候変動による問題は年々大きくなってきている。身近に起こりうる自然災害への防災について、今回は意識編として、防災の必要性、不安に思う自然災害、避難する警告レベル、災害発生時の帰宅行動、ペット同行避難や避難所生活への不安などについて分析。
防災の必要性を感じるかの設問に対し、「とてもそう思う」は19%、「とても+ややそう思う」は67%だった。年齢が上がるほど必要性が高まり、70代では”そう思う”割合が80%に達する。
不安に思う自然災害を3つまで聴取した結果、「地震」69%、「台風」52%、「豪雨」32%であった。「地震」「台風」「暴風」は防災の必要性と同様に年代が高まるほど不安度も強い。
地域別には、南海トラフ地震の可能性のある東海、四国、関東甲信、近畿地方で「地震」に対する不安が7割を超えた。また、「地震」よりも「台風」への不安が強かったのは、九州北部と九州南部であった。
災害発生の恐れがある場合、どの警戒レベルで避難するかを尋ねたところ、「警戒レベル4(避難指示)」で避難する人は39%、次いで「警戒レベル5(緊急安全確保)」が24%。「警戒レベル1(早期注意情報)」から「警戒レベル3(高齢者等避難)」までに避難するのは、全体で19%、70代はその割合は高まり34%。内閣府や消防庁は「警戒レベル4」までに必ず避難を呼びかけているものの、それまでに避難するとした割合は57%にとどまり、乖離がみられた。
「警戒レベルに関わらず避難しない」理由は、「自宅の方が安全」「避難所に問題がある」「避難が難しい家族やペットがいる」などの声があがった。
外出時に災害が発生した際の行動予定は、「施設にとどまり状況が落ち着いてから帰宅」は42%、「公共交通機関が止まっていても歩いて帰る」が38%と二分し、30~50代では「歩いて帰る」が「落ち着いてから帰宅」を上回った。
避難指示が出た後のペット同行避難について「ペットと一緒に避難所へ行く」が46%、「ペットと一緒に屋内退避・在宅避難をする」は39%であり、ペットを飼っていることで避難所へ行くことに躊躇している人も70代を中心にある程度いるとみられる。
避難所生活になったとき不安点は「プライバシー」「衛生面」「トイレ」の3つが多く、特に60~70代は「トイレ」への不安が6割近くと高い。