住宅ローン比較サイト『モゲチェック』を運営する株式会社MFSが、8月の金利情報についてお伝えします。解説は、堀江勇介チーフアナリストです。
■8月の住宅ローン金利の動き
2023年8月の住宅ローン金利の情報をお知らせします。
変動金利ではSBI新生銀行がキャンペーンを開始したことでさらに低下しました。主要銀行は時折キャンペーンを実施し、キャンペーン終了後も従前より低い金利を提供していることで、どんどん低金利が進行する流れとなっています。
一方、固定金利は7月末に日銀が金融緩和政策を修正した影響が出ており、上昇・低下が混在しながらも総じて見れば上昇する結果となりました。
依然として変動金利と固定金利の金利差は大きく、モゲチェックとしては変動金利の優位性が揺るがないと考えています。
■今月の住宅ローン金利の動向
変動金利では安定した低金利が継続しています。今月、SBI新生銀行が新規借り入れ向けの金利引き下げキャンペーンを開始し、0.2%台の変動金利の提供を開始しました。また、7月中旬にはイオン銀行の借り換え向け変動金利が低下しています。引き続き、住宅ローンの顧客獲得競争が変動金利中心に行われていることが感じられます。
固定金利は上昇・低下が混在していますが、総じて見れば上昇しました。金融機関は毎月25日ごろに翌月の住宅ローン金利を決定するため、7月28日に行われた日銀の金融政策修正の影響はまだ織り込まれていないと見立てています。それでもなお8月の固定金利が上昇した理由は、金融政策が修正されるだろうとの観測が7月中旬から高まり、それを受けて固定金利に影響する長期金利(10年国債利回り)が先回りで上昇していたためと考えられます。
現在、日銀が金融緩和政策を修正する際は変動金利ではなく固定金利の方が影響を受けやすい状況となっています。変動・固定の金利差が大きく、固定金利の場合は900万円程度返済負担が大きい可能性がある点を踏まえると(後述)、変動金利の優位性は揺るがないでしょう。
■住宅ローンインデックスの動き
主要なネット銀行、メガバンク、地方銀行の変動金利、メガバンクの10年固定金利、フラット35の金利をそれぞれ平均したモゲチェックの独自指標、「住宅ローン金利インデックス」の動きは下図の通りです。
変動金利を中心とした顧客獲得競争は激化しています。また、固定金利は今年に入り低下トレンドへ転換しています。
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