ANA(全日空)グループが新たに展開する新規航空会社「AirJapan」が2023年就航します。これまで段階的にサービス内容を発表してきた同社ですが、今回、その全容が明らかになりました。
ANA(全日空)グループが新たに展開する新規航空会社「AirJapan」が、2024年2月9日より成田~バンコク線に就航します。これまで同社は機体デザインや機内仕様、運賃、サービス内容などが段階的に発表されており、2023年8月2日の就航路線発表会をもって、サービスの全容が明らかになった形です。どのようなものとなっているのでしょうか。
ANA系新航空「AirJapan」見えたサービス全容 どこが…の画像はこちら >>Air Japan機のイメージ(画像:ANA)。
Air Japanは自社を「LCCとフルサービス両方の良いところをあわせた新しいビジネスモデル」と称します。使用する飛行機はすでにANAグループで使用しているボーイング787-8を改修したもので、シートはビジネスなどを設けない1クラスで324席仕様となります。
その一方で上位クラスを撤廃することで、1席あたりのシートピッチ(座席の前後間隔)を確保。一般的なエコノミークラスを上回るという32インチ(約81センチ)を確保しています。また各シートには、スマートフォンやタブレット端末を充電できるよう、Type-AおよびType-Cの2種類のUSBポートとタブレットホルダ一が設置されています。
バンコク線の運賃内容は3パターンあり、もっとも安い「シンプル」が1万5500円から。さらに手荷物を1つ預けることができ、座席指定ができる「スタンダード」が1万9200円から。手荷物を2つ預けられ、ドリンクサービスの無料提供がつく前方座席指定と、機内食が運賃に含まれる「セレクテッド」が2万3800円となります。「セレクテッド」ならば、サービス内容がフルサービスキャリアと非常に近しくなる――というのがポイントでしょう。
また家族旅行ニーズも見込み、小児運賃(6歳以下)は一律8000円(「シンプル」プランの場合)としています。なお同社の場合、原油価格に応じて運賃に上乗せされる「燃油サーチャージ」はありません。
機内のエンターテイメントサービスはWi-Fiを用いて、自分のスマートフォンなどで映画やビデオプログラムを無料視聴できるというものとなっており、座席に備え付けの個人モニターは撤廃されています。一方で、それ以外のWi-Fi利用、一般的なインターネット通信やSNSなどは有料での提供になります。
機内食は現役のCA(客室乗務員)が開発した13種類がラインナップ。これらは有料の事前購入制となり、標準的なメニューは日本発が出発24時間前まで、バンコク発が出発33時間前まで予約ができます。
価格はもっとも高いラインで1食あたり2000円。「寿司」や「親子丼」をはじめ和食中心のメニュー構成になっているほか、搭乗当日に機内で注文が可能な軽食なども用意されます。なお担当者によると、これらは「日本のお弁当文化」がテーマとなっており、食を通じて日本を体感できるものになっているとのこと。
Air Japanの峯口秀喜社長は「とくにお寿司なんかは、フルサービスキャリアのビジネスクラスのものと引けを取らないものとなっている」と自信を窺わせます。
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Air Japanの峯口秀喜社長(乗りものニュース編集部撮影)。
なお、峯口社長によると、想定する顧客層はおもにインバウンド(訪日旅行者)が7割、アウトバウンド(日本から海外へ行く旅行者)が3割とのことで、今後、アジア・オセアニア方面の中距離国際線ネットワークを拡充する方針です。
今後の路線展開について峯口社長は「まだいろいろ想定はしている」としたうえで、「来年の5月ごろに2号機が入ってくるので、そのタイミングで新路線を発表できれば」としています。また同氏は、成田空港のほか、ANAグループのLCC、ピーチの拠点空港である関西空港からの就航も示唆しています。