夜空彩る10万発 千葉県内花火大会ピーク 夏の風物詩復活 「コロナ前」規模に

大型花火大会の開催が5日、千葉県内でピークを迎えた。銚子みなとまつり、市川市民納涼、手賀沼の各花火大会は4年ぶりの実施。千葉市美浜区の幕張海浜公園であった幕張ビーチ花火フェスタ(千葉市民花火大会)も新型コロナ感染拡大前の規模に戻った。コロナで途絶えていた夏の風物詩が念願の復活。県内総数で10万発以上の花火が千葉の夜空を鮮やかに彩った。
千葉市民花火大会は新型コロナ感染予防のため、2020年、21年と中止。昨年は観客を市民2万人に限り、打ち上げ時間も短縮したコンパクト開催だった。今年はコロナ前とほぼ同規模の約2万発の花火を用意。一方、雑踏事故を防ぐため、観客を有料観覧席の購入者と無料招待席の当選者に絞った。
約3万人分を用意した無料招待席には約20万人分の応募があったため、急きょ4千人分の席を新たに確保。有料観覧席の購入者と合わせて計約7万5千人が入場した。
大会は午後7時15分にスタート。恒例の海上花火や昨年は見送った「尺玉」、チーバくんなどが浮かび上がる創作花火が次々と打ち上げられ、観客は暑さも忘れて見入っていた。埼玉県から来場した大野詩子さん(43)は「すごく楽しかった。コロナ禍で制限されている中、久しぶりに思いっきり夏を感じられた」と目を細めた。
佐倉市の印旛沼湖畔にある佐倉ふるさと広場周辺では、県内最大級を誇る佐倉花火フェスタ2023(佐倉市民花火大会)が開かれた。コロナ禍での中止、秋の分散型を経て4年ぶりに復活した夏の風物詩に観客が酔いしれた。
佐倉市に住む公務員、鈴木雄太さん(39)は「実際近くで見ると迫力があるし、音を肌で感じることができた」。息子の勇陽君(9)、娘の晴和ちゃん(5)は「手筒花火を初めて見ることができた。人生で一番うれしかった」と話した。