水道水に不安…配水場の地下水から高濃度の「PFAS(ピーファス)」検出 医療相談会で膵臓がんのチェックをすすめられる人も

全国各地の地下水などから検出され、人体への有害性も指摘されている有機フッ素化合物、その名も「PFAS(ピーファス)」。東海地方でも検出が相次ぎ、住民に不安が広がっています。
愛知県豊山町に住む田中さん夫妻。(田中隆裕さん)「これからどうするべきなのかわからない」
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(田中美紀さん)「何年後かに、健康被害のきっかけになっていたら嫌だなと」水道水に不安を覚えています。そのワケは。
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(記者)「こちらの愛知県の豊山配水場では、高濃度の有機フッ素化合物が検出され、2年前から配水が停止されています」
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おととし3月、豊場地区などに水を送る豊山配水場の地下水から、高濃度の「PFAS」が検出されたのです。「PFAS」とは、4700種類以上の有機フッ素化合物の総称で、水や油をはじき、熱にも強いため、フライパンのコーティングや泡消火剤などに使われてきました。
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しかし国は、有害性があるとしてPFASの一種の「PFOS(ピーフォス)」や「PFOA(ピーフォア)」の製造や輸入を禁止。その後、安全と定める数値を、1リットルあたり50ナノグラム以下と設定しました。
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しかし、豊山配水場から検出されたのは、その3倍以上の175ナノグラム。これを受け、市民団体がことし6月、周辺住民54人分の血液検査を行ったところ、25人がアメリカで健康リスクが高まるとされるPFASの値、20ナノグラムを超えていました。そして5日。住民の血液検査の結果をもとに、医師による個別の医療相談会が開かれました。
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(医療相談した住民)「私はこういう結果。この差は個人差ですか?」(愛知県民主医療機関連合会 堀井誠一会長)「PFASの値が16.6という点では、2年に1回でいいので、膵臓がんのチェックとして腹部エコー検査をやられた方がいいと思います」
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その中には田中さんの姿も…。(田中隆裕さん)「ちょっと(病院で)検査した方がいいと言われて、やってみようかと思った。説明してもらえてよかった」相談を受けた医師は。(愛知県民主医療機関連合会 堀井清一会長)「この地域から近い医療機関で、PFASの外来診察と検査を準備してもらっている。継続的に住民の相談に乗れるようにしていきたい」
一方6月28日、岐阜県各務原市が会見を開きました。(各務原市)「三井水源地で1リットルあたり99ナノグラムが検出されました」
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各務原市は6月、3年前に市内の三井(みい)水源地で行われた水質検査で、国が定める2倍の数値のPFASを検出したと発表。しかし…。(各務原市)「ご報告が遅くなりましたことを、この場を借りしましてお詫び申し上げます。誠に申し訳ございませんでした」各務原市は6月まで、この事実を公表していませんでした。
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各務原市は三井水源地の一部の井戸を止めたものの、依然として国が定める数値を上回る状況のまま、市民の半数に当たる、約7万2千人に水道水を供給しているのです。これを受け岐阜県の古田肇知事は。(岐阜・古田肇知事 8月1日)「私どもとしては遺憾に思っている。早急にしっかりとした説明や対策をやっていただく必要がある」
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そして8月7日。(足立孝夫各務原市議)「市民の皆さんに、一刻も早く安心してもらえるよう要望書を提出する」
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各務原市議会は市に対し、原因究明や市民への周知の徹底を求める要望書を提出。市民は。(各務原市民)「ちょっと不安、どうして公表しなかったのか」「生水として飲むのは私としては抵抗がある」
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市は今後、原因究明とともに、活性炭を使った浄化処理などを検討しています。