「おぐらが斬る!」日大アメフト部薬物汚染 大学は知っていた? 隠蔽体質は変わらず?

日大アメフト部薬物汚染問題、どうも数年前からこの問題はあったらしい。それが表に出てきたのは去年の春から「日大アメフト部の屋上で大麻を使っているのではないか」という告発文が、保護者から複数警察に寄せられていた。

警察としては、家宅捜索を行うほどの証拠はなかったが、日大側に『こういう告発文がある』ということは伝えていたという。

実は日大は2020年にも大麻問題が起こっている。このときはアメフト部ではなくラグビー部であった。この年にはラグビー部の元ヘッドコーチが暴行を繰り返していたことが発覚している。

日大アメフト部が悪質タックルで問題になったのは、5年前2018年5月のことだ。もしかしたらその頃からすでに、大麻を使用する選手がいたのかもしれない。情報誌の『FLASH』によると「9年前から寮の屋上で大麻を吸う選手」がいたという報道もある。

とすると、今回の事件でようやく表ざたになったということか。昨年12月、複数の告発文をうけて警視庁がアメフト部の学生を中心に『薬物乱用防止教室』を開いていたというから、警察はもちろん大学側も証拠がなかっただけで「知っていた」ということだろう。

7月上旬にまた、保護者から「アメフト部の学生が寮で大麻を吸っている」という情報があり、7月6日に大学側が、調査をしたところ、大麻と覚せい剤の錠剤が発見された。

だがこのことは林真理子理事長に知らされていなかったようだ。去年の10月に保護者から、「大麻を使用している部員がいるので調査してほしい」と言われながら、今年7月になるまで簡単な聞き取り調査くらいしかしていない。調査ができない・したくない理由があったのだろうか?

しかも調査の後、なぜか日大は12日間も警察に報告をしていない。『日刊スポーツ』によると、この12日間中に大学側は、寮生全員に尿検査と、部員に対して1人数時間に及ぶ聞き取り調査も行ったという情報も出てきた。

大麻の代謝物が尿から抜けるまで2~3日。覚醒剤は10~12日くらいだ。当然誰もが大学側の「証拠隠滅」「犯人隠避」を疑う。少なくとも大学側は、2週間もの間、違法薬物を所持していたとすれば、これだけで犯罪になるはずだ。

どうも日大は5年前の悪質タックルや、前理事長の脱税事件の頃から、隠蔽体質のままであるようだ。

今回、逮捕された部員は1名だけだ。もし複数人の使用が証明されると廃部もあり得る。

8月8日に日大の林理事長と酒井学長が会見するというが、何を語るのか注目したい。

プロフィール

巨椋修(おぐらおさむ)
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。
2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。