法隆寺のクラウドファンディング、目標額の約7倍集まる 総額1億5700万円…コロナ影響で昨年6月から開始

奈良県斑鳩町にある法隆寺のクラウドファンディングの最終結果が9日に報告され、目標額の約7倍となる1億5700万円が集まったことが分かった。プロジェクトの運営会社の公式サイトで発表された。
「プロジェクト終了のご報告」というタイトルで、法隆寺がコメントを掲載。「この度は『世界遺産法隆寺―1400年の歴史遺産を未来へ―』のクラウドファンディングに対し、お力添えを賜り有り難く感謝申し上げます」と賛同者に感謝し、「第一目標金額2000万円を大きく上回り、最終的には7456名(代理支援を含むと約7500名)の皆様方から、1億5700万円という予想を遙かに超える御支援を賜りました。日本全国の本当に多くの方々から温かい応援のお声を寄せていただきましたことに、重ねて心より御礼を申し上げます」と報告した。
同プロジェクトは昨年6月15日からスタート。同年6月22日に法隆寺が発表した文書によると、クラウドファンディングを実施した理由は「これは法隆寺の維持管理が参拝者の拝観料という浄財によって賄われていた形が、コロナ禍による参拝者の激減によってうまくできなくなったため、皆様方のお力をお借りしてでも、できる限り早く通常に戻って、法隆寺の維持管理に手抜かりがないようにしていきたいという願いからであります」と説明している。
集まった支援は既に事業に使われており、車椅子用通路の設置や境内各所外灯のLED化、空調設備・火報受信機器の部分改修、境内案内用看板の整備などに使用。また、樹木等の手入れやベンチ等の境内整備、消火器の新旧入替事業の促進にも使われ、それらについては「概ね完了した」と伝えている。
法隆寺は1億5700万円の使い道について「皆様方から賜りました御支援金につきましては、いただきましたメッセージにできるだけ応えられるように、協議を重ねながら大切に使わせていただいております」とし、「ただ維持管理につきましては、常に継続していかなければならない終わりのない事業でございます。現在、境内の整備も徐々に進んでおりますが、これからも1400年の歴史遺産を護り、『聖徳太子の和の心』の聖地として、未来へとつないで参りたいと存じます」とつづった。