40年以上前から濁りが問題となっていた名古屋城のお堀の「水質浄化作戦」が10日、スタートしました。 名古屋城のお堀に向かって、スコップで黒い砂のようなものを投げ込む河村市長たち。水質改善のために立ち上がった浄化作戦の幕開けです。
河村名古屋市長:「千両箱が出てきたら…ありえますよ。徳川家康の時からいっぺんもさらえてないらしいですから」 今から400年以上前の江戸時代に建てられた名古屋城。
水堀は、当時から一度も清掃された記録がなく、鳥のふんや落ち葉が原因の「ヘドロ」による水の濁りが、40年以上前から問題となっていました。
投げ込まれた砂のようなものは、愛知県の会社が開発した水質浄化剤です。天然鉱物でできた粒が、濁りの原因となる有機物を吸着することで、徐々に水の透明度が増し、微生物が増えてヘドロを分解するという仕組み。
10日は雨で本格的な散布作業は中止となりましたが、来週からボートを使って合計86トンの浄化剤を撒く作業がスタートします。 今回の作戦の“救世主”となったのは、事業費3000万を全額負担する、名古屋市港区の堀川沿いにある洗車機メーカー「タケウチテクノ」です。
タケウチテクノの竹内社長:「洗車機を使っていると結構水を使うんですよ。水に対して恩返ししたいという気持ちと、目の前の堀川をきれいにしたいというのが同時にありまして」 築城のため、石垣などの物資を船で運搬する手段として作られた堀川をきれいにするため、まずは原点となる名古屋城から環境問題に取り組みたいと、社長自ら市に提案しました。
タケウチテクノの竹内社長:「名古屋城のお堀がどれほどきれいになるか。夏場を過ぎて秋口には、元気にコイが泳ぐ姿が見えるんじゃないだろうかと期待しております」