「相変わらずの日大」会見は100点満点で10点 危機管理コンサルタント・白井邦芳氏が分析

日大は8日、覚醒剤と大麻を所持したとしてアメフト部員の男子学生が警視庁に逮捕された事件を受け、林真理子理事長(69)らが8日、都内の日大本部で会見を開き、「大変に遺憾。理事長として深く受け止める」と謝罪した。
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企業の危機管理に詳しい危機管理コンサルタントで社会構想大学院大学教授の白井邦芳氏が今回の会見について分析した。
権力の構図にも疑問 何のためにやった会見なのかが分からない。ほとんど新しい事実が確認できず、ますます疑問が深まってしまう。点数もつけられないレベルだが…はっきり言えば100点満点の10点しかつけられない。
特に発覚の経緯で、理事長まで知っていたのか、学長まで知っていたのか、誰がどの情報をどこまで管理していたのかといった疑問点が会見で解決されると思ったが、全くされなかった。このような状態の会見だと、組織が事実を隠蔽していると感じるのが一般的な判断。「このままで大丈夫?」と懸念が強く残ってしまった。
また、本来は理事長の権力が強いはずなので、トップである林理事長がもっと発言するべきだった。沢田副学長が発言する機会が多く、権力の構図にも疑問が残る。前の田中英寿理事長はなかなか表に出てこず、コメントも取れないような雰囲気もあった。せっかく林理事長になったのだから、林さんらしく、くさびを打つくらいのきちんとした説明をするのを期待していた。今回のような会見だと「林さんでなくてもよかった」と残念に思ってしまう。
また、沢田副学長の返答のトーンは少し怒りを含んでいるようだった。真摯(しんし)に答えようというより、5年前の悪質タックル事件の時と同様に、とりあえずやったというように感じられた。この時の会見からの学習効果はなかったようです。「相変わらずの日大」という感じでした。