ひとり親家庭の児童を思いやり行事の大幅見直しも タイの学校が話題に

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ひとり親家庭が増えている今、ある学校は「児童らの心が何より大事」と考えた。タイでは8月12日に母の日を祝うが、今年はその日のイベントを大幅に変更。
愛と感謝を示す日とし話題を集めたことを、『Thaiger』などタイのメディアが伝えた。
日本やアメリカとは違い、タイでは8月に母の日をお祝いする。そんな中、ある学校では毎年恒例の母の日行事を大幅に変更。「愛情、そして尊敬の気持ちを表すカードを作りましょう」と児童らに呼びかけ活動を促した。
児童らの家庭環境を詳しく調査した結果、母親と同居している児童が少ないことを把握。その結果を熟慮し「児童の気持ちに配慮することにした」と公式SNSで発表したところ、大反響があったそうだ。
この学校は児童らが平等に教育を受け続けられるよう努力を続けており、貧困にあえぐ児童らに対する奨学金支給も行っているという。
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校長先生は学校の方針について「母の日の活動を全キャンセルしたわけではありません」と断言。
「ただ母親に敬意を表するのではなく、挨拶カードや絵の制作、母親を称賛する作文や詩を書くよう変更しました」と話し、「児童らの気持ちを考慮したためです」「両親の別居、母親の死や出稼ぎといった事情から、母親と一緒に暮らしている児童は30%以下なのです」とも説明を続けた。
そのような事情もあり、親ではなく祖父母と暮らしている児童もいる。
過去には児童の母親らを招いて行事を開催することもあったが、ワッと泣き出す子供もいたそうだ。そこで思い切って方針を変えたところ、「すべての児童がきちんと理解してくれました」と校長先生は述べた。
学校の取組がインターネットで話題になっていることを校長先生はとても喜び、「こんなにも多くの人たちが(学校に関するニュースを)シェアしてくれるなんて、思ってもみませんでした」とコメント。
「流行に乗ったわけではありませんし、本校からトレンドを発信したわけでもありません」「ただ児童らの家庭環境について教職員から聞き、(変更に)踏み切ったにすぎません」とも述べた。
日本でも多くの園や学校が両親に感謝する日や行事を大事にしてきたが、ひとり親家庭などは決して少なくない。「大事な人に感謝する日」という趣旨に変更すれば、悲しい思いをする子供は減るのかもしれない。