「戦争もあって29歳で細君と結婚するまで童貞でした」世界最高齢現役セクシー俳優が59歳で“デビュー”した理由。「どういうことですか!」と娘に問い詰められた身バレ危機の過去も

世界最高齢の現役セクシー俳優とされる徳田重男さん。59歳でデビューして以来、約350本もの作品に出演。戦前の1934年の生まれで、今年8月18日で89歳となる徳田さんに直撃インタビューを行った。
――59歳でセクシー俳優デビューし、会社員との二足の草鞋で『ボイン大好き亀市爺さんのHなイタズラ』シリーズなど、数々の作品に出演してきた徳田さん。デビューまではどのようなお仕事を?徳田重男(以下、同) 電機部品やパチンコ台のメーカーなどを転々とした後に、旅行代理店の営業を70歳までしていました。で、旅行代理店は出張が多くて、モーテルなどに泊まるんですが、そこにはナニ(※編集部注=セクシービデオ)が置いてあったりするんですなぁ。「こんな世界もあるのか」と思ったものですが、ただ、そこに置いてあるものが自分好みとは限らない。だったら好きな作品を持ち込んで見たらいいじゃないかと。――お店で買って持ち込むんですか?いえ、そういうお店に入るのも買うのも恥ずかしいので、自分好みの作品を出しているメーカーを調べて、会社に電話して直接買いに行ったんです。平成2、3年ごろからでしたかなぁ。
インタビューに答える徳田さん
――そっちのほうが恥ずかしいと思うんですけど!(笑)。メーカーはどちら?FAプロというメーカーです。社長でセクシービデオ監督のヘンリー塚本さんにビデオテープをダビングしてもらって直接買ってたんです。――大御所監督じゃないですかFAプロには何度通ったかわからないけど、そのうち塚本監督とは一緒にご飯を食べたりする仲になりましてね。ある日から「あなたのためにホン(台本)を書いたから出てみませんか?」と誘われるようになって。もちろん当初は断っていたけど、「なぜ私が?」と聞くと、「そのスケベったらしい顔がピカイチなんだ!」って(笑)。
――そのスケベな顔があってこそ嫌がる女優の顔が生きる、と思ったのでしょうか(笑)。そこから何があって心変わりを?ある日、撮影現場を見せてほしいと頼んだら、塚本監督から「現場は真剣勝負だし、スタッフと役者さん以外の人が入ってくると気が散るから」と断られたんです。それまではセクシービデオ業界っていい加減なイメージがあったんですけど、「そんなに真剣につくっているのか」と興味がわいてきて、「どんな風にできるかわからないけどお願いします」と申し出ました。最初に直接ビデオを買いに行ってから3年くらいは経っていたでしょうか。――59歳で男優デビューというインパクトと、徳田さんの“スケベ顔”が業界に話題を呼びました。
写真/河合桃子
FAプロの仕事をしていたときは撮影は月1本くらいだったんで、週末や、2泊の出張のところを3泊と会社や家族に嘘をついて撮影に参加してました。ですが、そのうちFAプロを通して他メーカーさんから「徳田なにがしを使いたい」とお話をいただくようになりまして、一番多かった時期は月に7本は出てたんですなぁ。――そんな生活をしてたら家族にバレそうですが。私にはふたりの子どもがいて、下の娘が晩婚で40歳手前までウチにおったんです。その娘がある日、某メーカーから自宅のファックスに送られてきた台本を見てしまい、「どういうことですか!」と問い詰められました。「エキストラだよ」と言って切り抜けましたが。
――本当に切り抜けられてたんですかね……。奥様には?細君には一度、「年も年なんだからいい加減になさいよ」くらいは言われたかな。まぁ、そこまで詮索してはきませんね。娘にも「あとは知りませんから」と言われたきり。きっと家族でお互いを尊重して、いい距離感を保ったということでしょうか。――そ、そうなんでしょうか。ちなみにヘンリー塚本監督をして“ピカイチのスケベ顔”と評された徳田さん。実際にスケベなんですか?戦争もあって29歳で細君と結婚するまで童貞でしたから。もちろん風俗店など行ったこともない。あらゆることを抑圧されてきたからセクシー俳優になって解放された部分もあります。ここ5、6年は撮影にお呼ばれしていませんが、本当に得難い経験をさせてもらったと思っています。
時代劇好きで袴を着てなりきる若かりしころの徳田さん
――最近はどのように毎日を?ただのジジイ暮らしをしております。70代ごろまでは細君と一緒に山登りなどもしてましたが、こんな暑い中、外に出るわけにはいかないし。完全に引きこもり生活です(笑)。――今でも街で素敵な女性を見かけると、目で追いかけたりは?どっちかというと背面を見ますよね。つまり、お尻ね。なにしろ、そういう気持ちは大事ですからねえ、ふっへへ。
写真/河合桃子
そうスケベ顔で笑う徳田さん。後編では世界最高齢セクシー女優である小笠原祐子さんとの対談をお届けする。取材・文/河合桃子集英社オンライン編集部ニュース班撮影/Soichiro Koriyama