〈四谷大塚〉「触れた後に手を舐めてみたらしょっぱかったので多分汗ですね」教え子を盗撮し、個人情報をSNSにさらした講師“キッド”の言語道断の所業…懸念される“同志”の悪業にまで捜査は迫れるのか?

中学受験の名門進学塾「四谷大塚」(本部・東京都中野区)の教室で盗撮された女児の動画や個人情報が、小児性愛者が集うSNS上に投稿されていた問題で、「所業」の一部始終を認めて同塾を懲戒解雇された20代の講師Mが、ロリコングループ内で自らの後継者探しをしていたことがわかった。取材班はMが「キッド」と名乗ってSNSにアップし、グループのメンバーと共有していた盗撮動画と画像の大部分を入手、さらなる鬼畜の所業が明らかになった。
一連の「所業」において、集英社オンラインがつかんだ情報をもとに今月9日、講師Mに事実確認を求めて直撃すると、あっけなく“完落ち”した。翌10日には本人から事情を聞いた四谷大塚が即時に懲戒解雇処分を決めるとともに、警視庁玉川署に通報、同署が盗撮動画を保存したMのパソコンなどを押収していた。その後の経緯を社会部記者が解説する。「当初は玉川署単独で処理する予定の案件でしたが、14日ごろから生活安全部の仕切りで捜査を進めることになりました。悪質かつ、SNSに出入りしているメンバーが多岐にわたるので、『キッド』以外のメンバーの余罪まであぶり出すつもりでしょう」
「キッド」ことM講師(撮影/集英社オンライン)
「キッド」は取材班の直撃取材には、「ロリコンの人たちをからかっていただけで、僕自身は全くそういう趣味はありません」と返答。保護者への謝罪の意向を示し、雇用主の四谷大塚に自ら事情説明をすると約束。取材班には感謝のメールを送信するなど殊勝なそぶりを見せながら、撮りためた動画の保管を同志に依頼していたことなども報じてきた。今回はそれにとどまらず、SNS上のロリコングループの運営をなんとか維持しようとしていたMの企みも明らかになった。このグループは「変態」度合いや、秘密共有の約束事をクリアしたか否かによって、主宰者のMが一般メンバーとコアメンバーに分けて運営していた。約10人のコアメンバーに「選出」されていた告発者が証言する。「今回、キッドが集英社さんに凸(直撃取材)されたということで、一般メンバーはクモの子を散らすがごとく散り散りになりましたが、コアメンバーはなかなか動かなかったですね。まさかこのなかにスパイがいると思わなかったんでしょう。互いに様子見もあるし、何よりキッドに連絡先を知られている人が多いんです。コアメンバーの掲示板では、キッドがいつか掲示板がバン(サーバーから削除されること)されることを恐れて『せっかくの同志で出会えたのですから、何かあったときにLINEやメールアドレスを教えてください』と呼びかけていて、それぞれの個人の連絡先を持っていました」
M(キッド)が投稿した盗撮した生徒の個人情報(知人提供)
このコアメンバーたちは、キッドに負けず劣らずの小児性愛者ぞろいだったという。「キッド以外のメンバーも生粋の変態ぞろいでした。週末のショッピングモールで幼女の逆さ撮り(盗撮)を試みたり、健康ランドにお父さんと入ってきた3~4歳の女の子の裸を盗撮してSNSに投稿するヤツもいました。自分の娘にイタズラしてる画像を公開してるやつもいて、そいつは妻にバレて離婚訴訟になるとか言ってました。他にも心筋梗塞で倒れて死にそうになったことがあるという60歳超えた爺さんとかね。この手の変態は、聞いてもないのに『自分はこんなにすごいもの持ってるよ』とひけらかし始める。その代表格がキッドで、メンバーたちは『キッドさん』と崇拝していました。塾講師の立場を利用して散々していましたからね」
Mが講師という立場を悪用して、女児生徒のAさんに卑猥な言葉をしゃべらせ、とんでもない「約束」を口にさせていたことは、#1にて詳報した。しかしMは他にも約30本に及ぶ女児の盗撮動画をSNS投稿しており、取材班は告発者から大部分の“やりとり”を新たに入手した。動画のなかには「約束」の2日前にAさんを撮影した動画があり、中身はより悪質だった。動画は5分ちょうど。例によって教室の床に体育座りさせたAさんにむかってMは、「お母さんとケンカしたの?」と口火を切ると、Aさんの母親と面談で約束したという「お仕置き」の件について話し始める。当然、Aさんのお母さんはMとこんな約束はしておらず、Mの悪質さが際立つウソだということは後に判明する。MとAさんのやり取りはこのように始まる。M「Aさん、借金はいくつですか?」A「うーんと、ニジュウハチかな」M「28ですね。あと4つでレッドです」どうやら「借金」というのは塾で忘れ物をするなど児童がした「ミス」を数えて累積し、32になったら「レッドカード」扱いにして懲罰行為を課す約束らしい。四谷大塚が公式に塾生にこんなペナルティを課しているとは考えにくいので、Mが自分の欲望を満たすためにでっち上げたインチキだと推察する。そして、Mはこう続ける。
生徒に体育座りをさせ盗撮していたM(知人提供)
M「レッドになったらお仕置きがあります。何だったと思う? お母さんと面談でお話をしました。お仕置きといえば」A「うーん」恥ずかしがるAさんに卑猥な言葉を言いながら、“お仕置き”の際は“でんぐり返し”のポーズを要求、「練習しよう」とその場でAさんにけしかけていた。Aさんは「できないできない。さすがにここだと(と床を指差す)頭打って痛くなりそう」と拒否するも、Mは半ば強引にAさんの足を持ち、でんぐり返しのポーズを強要していた。これだけでも言語道断のふるまいだが、さらにMは、ロリコングループのSNSにこんな書き込みまでしていた。<前提として知っていただきたいのが、狙うのはお父さんお母さん大好きっ子より、お父さんお母さんウザいと思っている反抗期に差し掛かり始めた子です>
SNSでも講師気どりだったM(知人提供)
Mはこんな具合にメンバーたちに「指導」することでも悦に入っていたフシがある。「自分が受け持つ生徒のうち誰がかわいいか投票させるアンケートでも、答えないでいると『返事がないですね』『まだ返してない人がいますね』と先生口調ですぐマウント取ってくる。動画を見てわかるように支配欲が強いんだと思います。あと、6月ごろからキッドは後継者を探していて仲間のYってやつに『もし自分に何かあったときはよろしくお願いします』みたいなことを頼んでいました。どこかでバレたときのことを考えていたのかもしれませんね」
MがターゲットにしていたのはAさんだけではない。別の女児生徒Dさんも複数の動画を盗撮されていた。自習室でタブレットをいじるDさんの横の席にMが座り、雑談をしながら太ももを盗撮。SNSではこう投稿している。〈無性にDちゃんとセックスしたくなりました〉〈ちなみに太ももに触れたら、少し湿っていました。触れた後に手を舐めてみたらかすかにしょっぱかったので、多分汗ですね〉
M(キッド)のSNSへの投稿(知人提供)
ここでもMの言葉に“同志”が賛同し、調子に乗ったMはDさんの自宅住所も公開し、下劣な文句とともに “同志”を煽っていた。8月17日、「四谷大塚」はホームページにて再発防止策を発表した。今後はすべての校舎の教室に「ライブモニタリングシステム」を設置し、保護者がスマートフォンなどで、授業をリアルタイムで確認できるようになるという。また、スタッフの採用についても正社員、非常勤講師、アルバイトスタッフなどの従業員の採用過程において、「これまで以上に、より慎重かつ厳格な面接での選抜を行う」としている。だが、Mへの捜査は始まったばかりであり、“同志”も含めて徹底的に洗い出す必要があることは否めない。
本部がある四谷大塚中野校舎(撮影/集英社オンライン)

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