新潟県長岡市では8月19日、大相撲夏巡業の長岡場所が開かれます。激しい取組の舞台となるのが土俵ですが、どのように作られるかご存じでしょうか?準備が進む会場で土俵づくりに密着しました。
【記者リポート】
「大相撲・長岡場所が開かれる会場です。ホールの中央に土が盛られ、職人などスタッフがならしています。朝から忙しく土俵づくりが始まっています」
18日午前10時前、長岡場所の会場で始まったのは土俵づくりです。
巡業の場合土俵は木製の枠に土を盛り、つくられます。その量は約8トン。
相撲部屋に所属し、相撲興行の業務を専門に担う「呼出」を中心に土をならしたら踏んで固めますが、もちろんそれだけではありません。
出てきたのは、「小タコ」と呼ばれる専用の道具。
【記者リポート】
「持ち上げてみると、両手でもずっしりと重みを感じます。これを細かく、上げ下げして土を固めていくということで大変な作業です」
土俵を何往復もして平らにしていくと、続いては「大タタキ」という道具を使い、力いっぱい土を叩き、さらに引き締めていきます。
呼出たちも汗がにじみ、疲れの色が見えてきますが、ここまで入念に土を固めるわけは…
【呼出 正男さん】
「やわらかいと足をケガしてしまうので、これが一番重要な作業」
しっかり土が固まると、次は土俵の境界線をつくる俵を円を描くように埋めていきます。
土俵際の攻防を支える重要な作業のため、ぐらつきなどがないよう正確に埋めていきます。
ちなみにここで俵の形を整えたり、その周りを固めたりするために呼出たちが持っているのは…
【呼出 正男さん】
「バーテンダーが練習する瓶。本当はビール瓶だけど、グリップも持ちやすいしいい」
形や大きさが丁度良いとしてビール瓶を使うのが伝統ですが、最近はより頑丈なバーテンダー用のフレアボトルを用いることもあるそうです。
こうした職人の工夫や努力の末、午後3時、土俵づくりがほぼ完了。19日はこの土俵を舞台に力士がぶつかり合います。
【小野川 親方】
「本当に手作り。機械的なものじゃなくて、昔から同じ作り方をしているので、そういう職人の技が詰まった土俵なので、そういったところも見てほしい」
大相撲・長岡場所は19日、ハイブ長岡で開かれ、会場では当日券も販売されます。