レーダーから分かった“雷雲の移動”…天気急変で鵜飼観覧船が流され乗客ケガ 中止の条件「暴風警報」は出ず

観覧船が流されて乗客がケガをした事故を受け、長良川鵜飼は21日まで運航を中止しています。事故が起きた当時、どういう気象状況になっていたのでしょうか。 長良川鵜飼では、21日午後4時半から船頭らを集めて安全対策の講習を行っています。鵜飼観覧船事務所としては、こうした再発防止策を図ることで、22日以降は観覧船の運航を予定しているようです。
観覧船運航中のゲリラ豪雨での被害ですが、事前に危険を把握することはできなかったのでしょうか。 観覧船の運航が中止となる判断条件について、20日の岐阜市の会見によると、長良橋の水位が16.15m以上、暴風警報が発表されている、その他実施が危険な場合となっています。
当時の天候についてはどうだったのでしょうか。 岐阜県の19日の最高気温は36.9度でした。日中に気温が上がって、大気の状態がかなり不安定になっていました。気象台も、大雨と雷、竜巻などの突風に注意するよう情報を出していましたが、中止の条件となる「暴風警報」は出ていませんでした。
長良橋の水位についても、基準となる16.15mよりも低い「15.2m」だということです。 雷のレーダーをみてみると、19日の午後5時くらいから、岐阜県の北部から南部へと移動していて、かなりの雷と、雷鳴も響いていたと考えられます。
川の急変のサインは、上流に黒い雲が現れる、雷の音、丸太などの物が流れてくる、雨が降ってくるなどが挙げられます。特に、黒い雲や雷の音は、意識して注意深く見る必要があります。 この先1週間ほどは、大気が非常に不安定な状態が続くとみられ、鵜飼だけでなく、川遊びなどにも十分に警戒するようにしてください。