「かぼす」と「すだち」どう違う? – 大分県がトリビア解説

大分県では、同県での生産量が全国1位を誇る「かぼす」にフォーカスし、その由来、味、生産地、出回り時期、裏ワザなどについて公開した。
○大分県が全国の99%を生産する「かぼす」

大分県は、温泉の源泉数、湧出量ともに全国第1位を誇り、「おんせん県」とも呼ばれている。自然も豊かな大分県は名産品も多く、そのひとつがクエン酸などのカラダに嬉しい成分を含む柑橘類の「かぼす」。かぼすは大分県の特産果樹であり、全国で99%の生産を大分県が占めている。県下全域で栽培されており、臼杵市、竹田市、豊後大野市、国東市、豊後高田市が主な産地となる。

かぼすは古くから、県内の竹田や臼杵地方の民家の庭先に薬用として植栽されていた。臼杵市乙見地区に残る言い伝えによると、江戸時代に宗玄という医師が京都から持ち帰った苗木を植えたのがはじまりだという。臼杵市内には樹齢300年といわれるかぼすの古木が存在しており、現在も樹齢200年前後の古木が数本点在。他県にはこのような古いかぼすの樹は見られないため、かぼすは大分県が原産と言われている。
○「かぼす」の特徴は?

かぼすとよく混同されがちなのが、同じ柑橘類の「すだち」。かぼすはテニスボールと同じくらいの大きさで、すだちよりもひと回り大きいのが特長だ。

味は、香酸柑橘の中では甘味が強く、酸味がまろやかであるという。食材の味を消さず、焼き魚や焼き肉など素材本来の味を引き立たせることができる。ミネラル分としての塩味がしっかりとしていることから、塩の代わりにかぼすを添加することで減塩効果も期待できる。

かぼす果汁の質・量とも最高になり、最も風味豊かになる時期は8月から10月にかけて。3月中旬から8月はじめはハウスものが出まわり、8月から露地ものの出荷が始まる。10月以降は露地ものを貯蔵して年間通してかぼすを出荷している。

かぼすは食べるだけでなく、その香りのよさを生かして「かぼす風呂」に使うのもおすすめだという。料理で使ったあとのかぼすを自宅のお風呂に浮かべると、果皮に含まれる香りのエッセンスの働きで、肌もすべすべになるという。

11月~3月には、かぼすを餌に加えて育てたブランド魚「かぼすブリ」が出荷される。大分県かぼすを食べて育ったかぼすブリは、「味よし・香りよし・見た目よし」な養殖ブリ。切り身の色が変わりにくく、脂がしつこくない、さっぱりとした味わいが特徴とのこと。

大分県のかぼすをアピールするマスコットキャラクター「カボたん」は、同県内だけでなくさまざまな地域でも活躍中。これまでも、「目黒のサンマまつり」や「けせんぬまさんままつり」などに参加してきた。かぼすの旬になると「旬!」と自己申告するカボたんにも注目とのこと。

10月1日まで、インスタグラムで、かぼすと相性のいい「これぞ!」と思う料理を募集するキャンペーン「マイカボ選手権」も開催。優秀作品の投稿者には、「かぼす料理が楽しくなるグッズ」などをプレゼントする。インスタグラム上でマイカボ選手権アカウント(@mykabosu_oita)をフォローし、「#マイカボ 2023」「#かぼす」を付け、かぼすを使った料理の写真を投稿すれば応募完了。結果発表は12月。