日大アメリカンフットボール部の寮で覚醒剤と大麻を所持したとして部員が逮捕された事件で、警視庁薬物銃器対策課が22日、大麻所持などに関与した疑いがある別の部員4人を任意聴取したことが捜査関係者への取材で分かった。警視庁は大麻取締法違反容疑などで、東京都中野区の寮を再び家宅捜索した。
警視庁は3日に寮を捜索し、5日に覚醒剤取締法違反と大麻取締法違反の疑いで北畠成文容疑者(21)を逮捕していた。捜査関係者によると「他の部員も大麻に関わっていた」と供述したことなどから再捜索した。警視庁は裏付け捜査を進める。
日大は北畠容疑者の逮捕を受け、アメフト部を無期限活動停止としたが、「部員1人の個人犯罪。連帯責任を負わせることは多くの学生の努力を無に帰することになる」として10日に解除していた。
再捜索を受け日大は「警察の捜査に全面的に協力し、原因究明と再発防止に向けて全力で取り組む。容疑が明らかになった場合は厳正に対処する」とのコメントを出した。また全運動部に対する薬物検査について「検討中」という。東京・千代田区の日大本部には多くの報道陣が集まったが、林真理子理事長はコメントしなかった。記者会見については未定としている。
日大によると、昨年11月に部員が「大麻のようなものを吸った」と大学側に申告したが、警察に届けなかった。今年7月に寮で大麻のような不審物を見つけた際も警視庁への報告は12日後だった。
再捜索を受け、日大1年の男子学生(18)は「大学のイメージが悪くなる。捜査でうみを徹底的に出してほしい」と話した。3年の男子学生(20)は「またかと残念な気持ち。大学はしっかりと説明してほしい。就活も控えているので迷惑だ」と憤った。