北京ではなぜか“塩の買いだめ”発生…処理水放出で中国が『日本の水産物輸入停止』愛知のナマコ漁にも影響

24日から始まった福島原発の処理水の放出で中国が猛反発していて、愛知のナマコ漁などで影響が出ています。中国では、多くの人が「塩」を買い求める現象も起きていました。

福島県いわき市で25日に行われた競りでは、一部の魚介類は普段より高値が付いたものもありました。仲買人は「みんな努力して、いわきの魚をPRしてきた結果、信頼を得ていると思う」と話しました。

一方で、中国のSNSでは…。

<中国SNSより>
「やばい!誰かがデマを流して、こんなに大勢の人が塩を買いに来た。いつもの値段だから奪い取る必要はないのに」

SNSの動画には、スーパーで競うように塩を買い求める人たちの姿がうつっていて、各地の店でかご一杯に買い込む様子や、空になった棚なども投稿されています。

北京のスーパーでも、多くの人が「塩」を買い求めていて、塩を買う理由について客に聞いてみると、「万が一のことがあるから」と話していました。

処理水のため、海水で作る塩に影響が出ると思っているのでしょうか。処理水放出に激しく反発する中国政府は、日本からの水産物の輸入を全面的に停止すると発表しています。

影響は東海3県の漁業関係者にも出ていました。

西三河漁協吉良支所の鈴木さん:
「中国が一切買わないということになると、ウチの場合は特に黒ナマコが売れないということになると、大変なことになっちゃう」

愛知県西尾市の漁協では、毎年12月から2月にかけてがナマコ漁のシーズンで、年によりますが1トンほどのナマコを中国に輸出しています。

とくに日本では好まれない「黒ナマコ」という種類の価値がなくなり、収入が減る心配があるということです。

西三河漁協吉良支所の鈴木さん:
「黒ナマコに関しては(中国への輸出が)100%じゃないかな。100%に近い状態なので、大変だと思うね」

このほか、三重県尾鷲市の業者も、養殖のブリが中国に輸出できない状態が続いています。

中国の世論の過熱を受け、輸入停止は長引く恐れが強まっています。

※画像は愛知県水産課提供