溶けにくい氷の作り方 意外な方法に「なんで?」「知らなかった」

まだまだ残暑が厳しい2023年の夏。熱中症対策で水筒を持ち歩く人も多いでしょう。
筆者は子供たちに水筒を持たせて公園に行きますが、氷を入れて出かけてもすぐに溶けてしまい「この水、ぬるいね」といわれることもしばしば…。
そこで、本記事では暑い夏に嬉しい『溶けにくい氷の作り方』を紹介します。
まずは水道水を沸騰させて粗熱を取ります。そもそも溶けにくい氷を作るためには、水の中の不純物や空気を取り除かなければなりません。
空気や不純物が入っていると、氷が結合するのを阻害してしまうので、結果として氷が溶けやすくなるのだといいます。
ところが、水道水を沸騰させると空気が抜けていくので、氷が固まりやすくなるのだとか。
理由が分かったところで、沸かした水が常温になったことを確認し、気泡が入らないように製氷器に入れていきましょう。
筆者は本当に溶けにくいのかを検証するために、製氷器の半分には沸かしていない普通の『水道水』、もう半分には『沸かした水』を入れてみました。
溶けにくい氷を作るためには、ゆっくりと凍らせることがポイントなので、『沸かした水』のほうには、急激に温度が下がらないよう、清潔なタオルをぐるりと巻いて冷凍庫に入れました。
これで、しばらく経過を見てみましょう。
40分ほど経ち、冷凍庫の中を覗いてみました。見ると『水道水』は氷が張り、固まってきているので、箸が入りません。
一方、『沸かした水』はまだ水なので箸が入りました。タオルを巻いたこともあり、本当にゆっくりと固まっているようですね。
様子を見ながら氷が固まるのを確かめていきましたが、1時間半ぐらい経つと『沸かした水』が半分以上固まったので、残った水を捨てます。
ここで水を捨てる理由は、不純物が入っている水は遅く固まるからです。残りの水を捨てることで、不純物の除去に役立つそう。
その後さらに1時間待つと、製氷器に入れた水は完全に氷になっていました。
筆者が驚いたのは氷の色!『水道水』は白く濁っていますが、『沸かした水』は不純物と空気を取り除いたため、ほとんど透明になっています。
次に、本当に溶けにくいのかを調べるために『水道水』で作った氷と『沸かした水』で作った氷を4個ずつ、グラスに入れて比べてみることに。
結果はこちらです。『水道水』で作った氷が完全に水になった時、『沸かした水』はまだ小さな氷が残っていました。
『沸かした水』のほうは半分以上凍った時点で、固まらなかった水を捨てているので、『水道水』の氷よりも小さいはず。
それなのに『水道水』を凍らせた水より溶けるのが遅いということに驚きました。
溶けにくい氷を作って水筒に入れておけば、いつもより長く冷たい飲み物が飲めるでしょう。
ただし、慣れたら簡単ですが、氷が半分固まる頃を見計らって残りの水を捨てなければいけないので、少々手間かなと思いました。
途中で水を捨てる作業が面倒な人は、『沸かした水』を気泡が入らないように製氷器に入れて凍らせるだけでも、だいぶ違うと思います。興味のある人は挑戦してみてくださいね!
[文/キジカク・構成/grape編集部]