北陸 台風の間接的影響で猛暑が一段と厳しく 3台風の動向と北陸への影響は

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北陸地方では梅雨明け以降、記録的な猛暑が続いています。また、雨の少ない状態も続き、新潟の米作を中心に農作物への影響が大きくなっています。一方、日本の南海上には、台風9号・10号に加えて24時間以内に台風11号になると予想されている熱帯低気圧があります。これらトリプル台風の動向次第では恵みの雨をもたらす可能性がある一方、フェーン現象などで、猛暑と渇水が更に厳しいものとなってしまうこともあり、動向に注意が必要です。
台風10号は北陸にほとんど影響なし

台風10号は、今夜から明日28日(月)にかけて、関東から三陸沖へ反れるように北上するでしょう。北陸付近には、台風周辺の湿った空気の影響で、山間部を中心ににわか雨や雷雨がある程度でしょう。ゲリラ雷雨は局地的には強い雨をもたらすものの、短時間で且つ狭い範囲のため、渇水を解消するには至らないことが多くなっています。昨夜は上空の寒気と湿った空気の影響で大気の状態が非常に不安定となり、富山県の秋ケ島では1時間に65.5ミリの非常に激しい雨を観測し、1時間雨量の観測史上1位を更新しました。一方、梅雨明け以降降水量が0ミリが続いている新潟県の5地点(新潟・松浜・新津・寺泊・巻)には雨雲がかからず、渇水が進んでいます。また、短時間に一気に降るため、しとしとと長く降るタイプの雨に比べて水が土の表面を流れて行ってしまい、地中に水が浸透しにくい性質があります。このため、水不足に悩まされている農家にとってゲリラ豪雨は必ずしも恵みの雨にならないことがあります。
台風9号は将来の台風11号と共に太平洋高気圧を強める働きをし、猛暑・渇水が強化されるおそれ

台風9号はフィリピンの東海上から台湾付近へゆっくりと進む予想で、本州付近への直接的な影響はないと見られます。しかし、日本の南海上の将来の台風11号とともに、日本付近の太平洋高気圧の勢力を強める働きをするでしょう。これは、台風による強い上昇気流で上空に持ち上げられた空気はその周辺部で下降気流となって高気圧を強める効果があるためです。このため、北陸地方では猛暑と渇水が続くどころか、今よりさらに厳しいものとなるおそれがあります。
北陸週間 晴れて猛暑が一層強化か

9月1日(金)にかけては、台風9号と将来の台風11号の間接的な影響として、太平洋高気圧の勢力が強まって猛暑が一段と強まるでしょう。特に30日(水)~31日(木)頃は、日本海の前線や低気圧次第ではフェーン現象となるおそれもあります。新潟地方気象台は昨日26日、29日(火)から9月2日(土)頃にかけて、晴れて最高気温が35度以上の猛暑日になる所が多くなるとして、北陸地方に高温に関する気象情報を出しています。熱中症や農作物・家畜の管理に十分に注意して下さい。
将来の台風11号の動向に注意 恵みの雨になるかフェーンになるか

各種気象モデルによると、将来の台風11号は発達しながら日本付近に近づいてくる予想が多くなっています。台風の動向によっては恵みの雨を期待できる反面、台風が北陸の西側を進んでしまうとフェーン現象により、猛暑や渇水がさらに悪化する懸念もあります。日本の気象モデルは後者を予想していますが、現段階ではまだ予測にブレ幅が大きいため、最新の台風情報に十分に注意して下さい。