市川市、三番瀬護岸を干潟化へ 「長年の悲願」親水拠点目指し現地調査

市川市は、塩浜三番瀬公園(塩浜2)の護岸から広がる海域に、干潟を整備する計画を発表した。同市内の海岸の大半はフェンスがさえぎり、海と直接触れることができず、市民が憩う親水施設は「長年の悲願」(同市)。現地の水質や生物などのモニタリング調査を経て2025年度に砂の投入を始めたい考えだ。
市によると、市川漁港から約900メートル南の海で実施する航路しゅんせつ工事で出た砂を使い、幅100メートル、奥行き50メートルの海域に覆砂して干潟を形成。干潮時には干潟が出現するようにする。砂の流出防止のため、金網に自然石を入れたかごを干潟周囲に設置する。
モニタリング調査は今秋から行う予定で、市は経費2400万円を盛った補正予算案を9月1日から始まる定例市議会に提出する。25年度から砂を入れ、効果を検証。問題がなければ工事を本格化させる。
このエリアは東京湾奥部最大の浅瀬地帯「三番瀬」の一部。市は20年以上前から干潟整備を県に求めてきたが「親水性は認めるが、三番瀬全体にいい影響を与えるには不十分」などとして実現しなかったという。
田中甲市長は「船橋、浦安と同様、市川も三番瀬に親水機能を持つ扉を何としても開きたい。まずは覆砂の影響を調査し、状況を見守りたい」と話した。