“水不足”で田んぼひび割れ…農家も苦渋の決断「刈り取って来年に備える」 地すべり地帯は二次災害も懸念

8月29日、広い範囲で晴れ、気温も上がった新潟県内。30日以降も猛暑が続くことが予想される中、上越市では中川幹太市長が渇水被害の状況を視察しました。

すでに田んぼへの水不足被害が拡大している上越市。29日午後、板倉区の田んぼを視察した中川幹太市長が目の当たりにしたのは、枯れて倒れてしまった稲です。

【コメ農家 大谷貞夫さん】
「枯れてしまったのは刈り取って処分して、来年に備えたい」

こしいぶきを栽培する大谷貞夫さんの田んぼでは、用水路から水が流れて来ず、収穫できるのは5割ほどにとどまる見込みです。

【コメ農家 大谷貞夫さん】
「天を恨んでも仕方ない。もう、これも一つの運命かなと思っている」

しかし、この地域ではさらなる被害の拡大も懸念されています。

【コメ農家】
「この地域は地すべり地帯。(田んぼに)ひびが入った所に、これから大雨が降ると、二次災害になって困る」

田んぼの至る所にある、大きく深いひび割れ。

板倉区では2012年に大規模な地すべりが発生するなど、地すべりの起こりやすい地域でもあるため、中川市長は渇水対策に加え、ひび割れ対策にも取り組む考えを示しました。

【上越市 中川幹太 市長】
「これだけ大量のひび割れが起こっているとなると、補修事業が一気に発注がかかることがあるので、優先度の高い所から早めにやっていかなければいけない」