空港案内板に出現した謎の行き先、あまりに不穏すぎる 「どこに着くんだ」とネット民驚愕

空港で時間を潰す際、出発案内板の表示を眺めるのは意外と楽しいもの。自身の行き先とは全く異なる地名に思いをめぐらせる…いわば「脳内旅行」を楽しんだ経験はないだろうか。
なお現在X(旧・ツイッター)上では、東京国際空港(羽田空港)の案内板に表示された「不穏すぎる行き先」に、驚きの声が寄せられているのだ。
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今回注目したいのは、とあるXユーザーが26日に投稿した1件のポスト。「どうした羽田空港」と書かれたポストには空港を出発する便名がズラリと並んだ、お馴染みの案内板の画像が確認できる。
空港案内板に出現した謎の行き先、あまりに不穏すぎる 「どこに…の画像はこちら >>
…しかし、直近の便の「行き先」を見ると、そこには「女性との別れ」という謎の地名(?)が表示されているではないか。
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とんでもなくシュール且つ、謎すぎる光景を捉えたポストは大きな反響を呼び、投稿から2日足らずで2万件以上ものリポストを記録する事態に。
他のXユーザーからは「この行き先は悲しすぎる…」「別れもあれば、出会いもあるよな」「これもう傷心旅行だろ」「この便に乗ったら、スッパリ別れられるってこと!?」「これ、どこへ行くんだ…」などなど、驚きの声が多数寄せられていたのだ。

ポスト投稿主に話を聞くと、こちらの光景は26日の午前11時ごろ、羽田空港第2ターミナル3階にある「POWER LOUNGE」で目撃したものと判明。
そこで今回は、こちらの表示内容について「日本空港ビルデング株式会社」ならびに、北海道網走郡にある「大空町役場」に詳しい話を聞いてみることに。その結果、なんとも微笑ましい事実が明らかになったのだ…。
衝撃の行き先「女性との別れ」は本来、「女満別」(めまんべつ)と表示されるはずだったと明らかに。
日本空港ビルデング担当者は「ラウンジ内のフライト情報モニター用のPCブラウザ(Microsoft Edge)の翻訳機能がオンになっており、日本語ページを中国語ページとして誤認識し、中国語から日本語に自動翻訳される際に『女性との別れ』と誤訳されてしまいました」と、ことの経緯を説明している。なお、ポスト投稿から数時間後の午後3時ごろには復旧し、正常稼働が確認されたそうだ。
これにて一件落着だが、ここで気になるのは「女性との別れ」という意味を秘めた「女満別」という地名の由来である。ひょっとしたら同地には、切ないラブロマンス的な伝説が語り継がれているのだろうか…。

そこで続いては「女満別空港」のある北海道網走郡大空町「大空町教育委員会生涯学習課社会教育グループ」に、地名の詳細を尋ねてみる。
同町の担当者からは「北海道にはアイヌ語の音に漢字をあてた地名が多く、女満別は『メマンペッ』というアイヌ語が由来となっています。こちらは『泉の湧いた川』という意味になります」との回答が。
完全に「音に当てはめた漢字表記」であると判明したワケだが、町民としては今回の「誤訳」に複雑な心境を抱いているのではないだろうか…。と思いきや、全くそんなことはない模様。
というのも取材冒頭、羽田空港での「女性との別れ」ポストについて触れた際、いずれの担当者も「存じております」と笑顔に。じつは以前より「女性との別れ」という中国語訳の存在はしばしばローカルネタになっていたそうで、今回の羽田空港の1件についても、ネガティブな印象を全く抱いていない様子が窺えたのだ。
北海道には他にも、中国語に訳した際に「予想外の意味」となる地名があることだろう。
秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。
新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。
X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。ドン・キホーテ、ハードオフに対する造詣が深く、地元・埼玉(浦和)や、蒲田などのローカルネタにも精通。