『テニスの王子様』のラケットを13年間集めた猛者現る… 原作者・許斐剛氏も絶賛

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2000年代、世の中にテニスブームを巻き起こした人気漫画『テニスの王子様』。同作を読んでテニスを始めた人も多いことだろう。
あれから10年──。ネット上では、作中に登場するラケットを集めた猛者が現れて…。
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事の発端は、X(旧・ツイッター)ユーザー・ラケットマンさんが投稿したポスト。「青学、立海、氷帝、四天宝寺、比嘉、山吹、genius10、ドイツ、スイス、フランス、アメリカ、オーストラリア、ギリシャのラケットを約13年かけて集めることができました」という文言と共に、ズラリと並んだラケットの写真が添えられている。

これらはすべて『テニスの王子様』に登場するキャラクターが使用するラケットだ。『テニスの王子様』は、1999年から2008年まで『週刊少年ジャンプ』で連載されたテニス漫画。
テニスの名門中学校である青春学園に入学した天才少年・越前リョーマが、テニス部に入部し、チームメイトと共に全国大会優勝を目指してライバル達を倒していく物語だ。「ブーメランスネイク」、「つばめ返し」、「レーザービーム」、「ビッグバン」など、少年心をくすぐる派手な必殺技が多数登場し、2000年代に絶大な人気を博した。
09年以降は、日本の中学生・高校生がアメリカやドイツなど世界を舞台に戦う『新・テニスの王子様』が、『ジャンプスクエア』で連載されている。
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作中に登場するキャラクターは、新旧合わせて100人近くになる。先述したラケットはざっと数えても70本はありそうだ…。
『テニスの王子様』への思いが溢れたポストは大きな反響を呼び、投稿から数日で6,000リポスト、2万いいねを獲得する事態に。
他のXユーザーからは、「いい値段するのに…愛を感じる」「ラケットを特定して13年かけて収集するの並大抵の情熱じゃ出来ない」「博物館開いて欲しい」「途中で諦めなかったのファンすぎて尊敬」など、絶賛の声が多数あがっている。
はじめまして。コレは凄すぎますね…( _ )ノノ゙テニプリキャラのラケット完全制覇実はずっとコンプリート出来るか気になってました。毎回ラケットは各キャラの特徴に合ったもの等で選ばせて貰ってましたが、私以上にしっかりと考察し解説されていて本当に感心しました。まさに博物館ですね https://t.co/exWPjd6VGU
許斐剛 (@konomi_takeshi) July 31, 2023
さらに、拡散されたポストに気付いたのか、原作者の許斐剛氏も反応。「実はずっとコンプリート出来るか気になってました。毎回ラケットは各キャラの特徴に合ったもの等で選ばせて貰ってましたが、私以上にしっかりと考察し解説されていて本当に感心しました」と、祝福のコメントを寄せたのだ。
いかにして、これほど多くのラケットを集めたのか。ラケットマンさんに取材したところ、「様々な裏側」が明らかになったのだ…。
ラケットマンさんによれば、初めてラケットを手に入れたのは12歳の時だったという。ラケットマンさんは「ファンブックを初めて読んだ時、ラケットにちゃんとモデルが存在するんだと感動しました。越前リョーマくんのラケットを親に買ってもらったのがきっかけでした」と振り返る。
余談だが、記者も小学生の頃『テニスの王子様』に夢中になり、中学でテニス部に入部し、越前が被っていたのと同じ帽子を購入し、練習に励んでいた。公式ファンブックには、キャラクターの身長や得意技といった基本情報はもちろん、使用するラケットやシューズのメーカーまで詳細に記載されているのだ。

ラケットマンさんも、ファンブックやテニス雑誌等を参考に、フリマアプリを利用してバッグやシューズも収集したという。スポーツショップでは取り扱いのないモデルもあるので、ここまで揃えるのは簡単なことではない。
ラケットマンさんは話題になったことを喜ぶが、取材の途中で表情を曇らせる。不思議に思い、理由を聞くと、ラケットマンさんは「遠山金太郎くんのラケットを間違えて購入してしまったんです…。50年前くらいのラケットなので情報も少なく、ファンブックにも型番がなかったので見つけるのに1番苦労しました」と話す。
実は金ちゃんのラケット…カワサキがラケット事業から撤退する時に、裏面に金具を付け鏡として数量限定で出した記念の物らしく、私が大学生の時に父から貰った大切なラケットを金ちゃん、そして南次郎に使いました正式なラケットでは無いのでお手紙でも仰っていましたが特定難しかったと思います https://t.co/exWPjd6VGU pic.twitter.com/N5lZCW8RvZ
許斐剛 (@konomi_takeshi) August 1, 2023
遠山は、大阪の強豪校・四天宝寺中学校の1年生で、自身の宝物であるウッドラケットを使用する。ただ、許斐氏は自身のXで遠山のラケットについて、「カワサキ(※ラケットメーカーのKAWASAKI)がラケット事業から撤退する時に、裏面に金具を付け鏡として数量限定で出した記念の物らしく、私が大学生の時に父から貰った大切なラケットを金ちゃん、そして南次郎に使いました」と投稿しており、特に入手難易度の高いラケットであることが分かる。
今回、多くの人に注目されたこと、原作者も反応したことへの思いを尋ねたところ、ラケットマンさんからは「友人らにはからかわれたり、変な事してるとしか思われてこなかったので、多くの方々から肯定的な反応を頂けて凄く嬉しかったです。許斐先生にも反応頂けるなんて夢にも思っていなかったので、人生で1番幸せな瞬間でした。いいねとリポストを押して下さった方々とたくさんの感動と幸せを与えてくれた許斐先生に感謝しかありません」という熱いコメントが寄せられている。
これからも、ラケットマンさんには、“天衣無縫”の「テニプリ愛」を持ち続けてほしい。
青学、立海、氷帝、四天宝寺、比嘉、山吹、genius 10、ドイツ、スイス、フランス、アメリカ、オーストラリア、ギリシャのラケットを約13年かけて集めることができました。リツイートしてご協力してくれた方々本当にありがとうございました。コレクションはスペインを除いてこれで一区切りになります。 pic.twitter.com/jKzAe8kX3R
RACKET MAN ラケットマン (@RACKETMAN333) July 30, 2023
斎藤聡人:1991年生まれ。『Sirabee』編集部記者。
某週刊誌の芸能記者を経て現職に。ジャニーズネタなど、芸能ニュースを中心に取材。飲食店をめぐり、グルメ記事も手がける。
仕事も兼ねた毎日のドラマ鑑賞が日課。今期の推しは、『真夏のシンデレラ』(フジテレビ系)と『ばらかもん』(同系)。『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』(日本テレビ系)の行方も気になる毎日。