飛行機から降りた直後、忘れ物に気づき、それを取りに戻ることは「できない」とJALは話します。まだ搭乗橋にいたとしても、忘れた場所を分かっていてもです。なぜでしょうか。
旅客機から降りたあと、機内に忘れ物をしたことに気づくケースがあるでしょう。降りた直後で良かったと胸をなでおろしたくなる状況ですが……実は、たとえ降機直後の搭乗橋で、かつ忘れた場所を自分でわかっていたとしても、乗客自らがそれを取りに機内に戻ることはできません。
機内に忘れ物しちゃった→「戻れません」なぜ? 飛行機から降り…の画像はこちら >>JALの旅客機(乗りものニュース編集部撮影)。
では、どのような手順で忘れ物を取り戻すのか。過去にパスポートを機内に忘れたまま降りてしまった経験を持つ男性が次のように話します。
「長距離国際線で日本に帰国したとき、パスポートをシートポケットにしまいっぱなしで飛行機から降りてしまい、航空券を提示したうえで機内に取りに行きたいと申し出たことがありました。すると、機内に入ることはできないので、座席番号を教えてほしいと言われました。10分ほど待っていると、スタッフの方が機内からパスポートを持ってきてくれ、無事に返却されました」
ただ、機内から出て数分程度だったので、「それなら自分で取りいったほうがスタッフの方にも迷惑がかからないし、取りに行ってもらうあいだ、同行した他の人を待たせてしまうことになるな」とも思ったそう。
JAL(日本航空)によると、「保安上の理由により、一度降機された後は機内にはお戻り頂けません」とのこと。そうならないよう、「お忘れ物のないように、降機時には今一度お座席回り、シートポケット、頭上の収納棚(ハットラック)などをご確認下さい」と説明します。
もしこれを許可してしまうと、安全運航を阻害するリスクが発生する可能性があるということでしょう。
この“戻れないルール”は、大きくは航空法に基づき、実質的には社内保安規定による対応となるとのこと。なお、国内航空会社では他社も同様のルールを適用していることが一般的です。