そごう・西武が大手百貨店では61年ぶりのストライキ 「本当にやるんだ」西武池袋本店前で驚きの声

セブン&アイ・ホールディングスは30日、傘下の百貨店、そごう・西武の売却を31日の取締役会で決議する方針を固めた。9月1日に2000億円超で米ファンドへ売る。売却計画に反発し、ストライキを通告しているそごう・西武の労働組合は、8月31日にストを実施すると決めた。経営側はスト対象の西武池袋本店(東京都豊島区)を31日、終日臨時休館する。産業別労組「UAゼンセン」によると、大手百貨店でのストは1962年以来61年ぶり。
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31日の臨時休館が決まった東京都豊島区の西武池袋本店前では30日、道行く人から「本当にやるんだ」との驚きの声や、「働く人の意見の尊重を」と理解を示す意見が上がった。
本店入り口にはストと臨時休館を知らせる紙が貼り出され物珍しそうにスマートフォンで撮影する人も。
小売業に勤める川口市の長谷部洋平さん(42)は「ストライキが日本で行使されるということはあまり聞いたことがない。今回の行使が今後の見本になるのでは。同じ小売業で働く者として今後どうなるか気になる」と話した。
練馬区のパート、木村美佐子さん(78)は「ストライキが一日で終わるならいいけどストライキをすることで店が営業しなくなるので困る。でも店がなくなるのも困る」。新宿区の主婦の女性(75)は「今でも週1回か2回はここに買い物に来るし、小さい頃から通っていた場所。(西武池袋が)なくなるのは悲しい」と話した。
◆ストライキ 労働条件の改善や維持を求め、労働者が集団的に業務を停止すること。憲法が「団体行動権」として保障する争議行為の一つで、ほとんどは労働組合が実施する。正当なストは刑事処罰や民事上の責任が免除され、参加者の解雇や懲戒処分は不当労働行為になる。日本では戦後に件数が増え、厚生労働省の統計では、1974年にストなど「争議行為を伴う争議」は9581件でピークとなったが、近年は激減。2004年に近鉄とオリックスの合併に反対したプロ野球選手会がストを決行し、9月18、19日の試合が中止された。欧米では、物価上昇や人手不足を背景に増加傾向にあり、全米脚本家組合のストが現在も継続中。