北海道の真ん中で「へそのまちサミット」開催…富良野市・あの街行く北海道

北海道の中央部、「へそ」に位置する富良野市で7月、“へそのまちサミット”が開催された。「第55回北海へそ祭り」(同28、29日)に合わせ「全国へそのまち協議会」加盟9市町村の首長らが集結し、総会を開いた。対面式で行うのは5年ぶりで、「北の国」から、へそのまちの連携強化、魅力を全国に発信した。(小林 聖孝)
「全国へそのまち協議会」は1997年、全国でへそ、中心など地域的特性を持つ市町村で設立。交流を通し、産業や文化の振興、魅力ある地域づくりに取り組んできた。コロナ禍で総会は自粛されてきたが、「北海へそ祭り」に合わせ復活。2日間で7万2000人を集めた会場で、9市町村代表があいさつした。“日本のまんなか”渋川市(群馬)の水沢うどん、“日本のへそ”西脇市(兵庫)の金播磨いりごまなど各地名産の「観光物産展」も開催された。
総会では、ふるさと納税の取り組みも報告され、富良野市は「返礼品の6割強がメロン、次いでアスパラ、トウモロコシなど」とし、今後は「農業体験やアクティビティー、宿泊券などの体験型返礼品の拡大を目指したい」。自然災害が頻発する中、緊急災害地の物資支援など、相互応援も確認された。
富良野市総務部企画振興課の上野和広さんは「へそを介したイベントでの総会開催で、発信力も高まったはず。さらに『へその輪』交流が充実、お互いの活性化につながってほしい」と期待した。
◇全国へそのまち協議会加盟自治体 富良野市、本宮市(福島)、佐野市(栃木)、渋川市(群馬)、中央市(山梨)、西脇市(兵庫)、吉備中央町(岡山)、山都町(熊本)、宜野座村(沖縄)
【グルメ】2010年オープンの複合商業施設「フラノマルシェ」はメロンなど農産物直売所、地元産食材を使ったパン、スイーツなどの飲食店も入る。富良野米のおにぎりをハンバーグ状にしたお肉(地元の豚肉)で包む「肉まんま」も人気。市内では他にソフトクリーム、ピザなども楽しめる「富良野チーズ工房」なども有名。
【ワイナリーツアー】ワインのまちとしても有名な富良野市。9月30日からは富良野、上富良野、中富良野の3つのワイナリーをタクシーで巡る日帰りツアー(1人8000円)を実施する。ふらの観光協会の峰廻賢専務理事は「記憶に残る、富良野エリアでのワインツーリズムを、国内外にPRしていきたい」と話した。
◆富良野市 人口約2万人。農業と観光を基幹産業として発展。十勝岳連峰と夕張山系芦別岳に囲まれ、その中央を石狩川の支流の空知川が流れる。1981年から放送された人気テレビドラマ「北の国から」で名前も全国区に、ラベンダーに代表される花観光も有名。