コロナで夢絶たれても 中学ソフト、千葉県勢初の日本一 柏の女子チーム「レオネッサカリーナSC」 全試合で無失点、快挙報告

柏市を拠点に活動する中学生女子ソフトボールチーム「レオネッサカリーナSC」が大阪市で行われた全日本中学生女子大会で初優勝した。選手らが柏市役所に太田和美市長を訪ねて全試合無失点で勝ち取った快挙を報告した。同チームは、小学生時代に新型コロナ禍で全国大会出場の夢を絶たれた実力派の中学生を中心に発足。合言葉の「常勝」を現実のものとし、3年目で千葉県勢初の頂点に立った。
訪問したのは監督の富永靖浩さん(37)や、主将でエースの船橋市立前原中3年、太田真緒さん(15)ら9人の選手。
富永さんは柏、船橋の両市で小学生ソフトボールチームを10年間指導していた。コロナ禍で全国大会中止が相次ぎ、目標を失って悲しむ小学生たちの姿を見て、指導を続けたいと決意。2021年に中学生チームを発足し、メンバーの多くが両市など県西部の中学に通う。発足当初から県予選会で優勝を重ね、全国大会では21年がベスト8、昨年はベスト16の成績だった。
41チームの参加で8月11~13日に開かれた今年の全国大会。太田さんは全5試合で計350球を投げ、被安打6、30奪三振の快投を演じた。準決勝の広島プリンセス戦は延長タイブレークとなった8回まで投げ抜き、得意のチェンジアップを駆使して零封を続けた。
全試合でマスクをかぶったのは柏市立南部中3年、岡田来羽(くれは)さん(15)。司令塔として扇の要の役割を貫徹。「相手の選手を観察し苦手を見つけるようにした。三振が難しいと思ったら打たせて取るようにした」と胸を張る。チームは、初戦の福島あすなろソフトボールクラブ戦で12点を奪うなど猛攻も見せ、決勝戦では大垣ミナモジュニア(岐阜)を破った。
太田さんは「優勝した瞬間は実感が湧かなかったが、選手一人一人に金メダルが掛けられ涙がこみ上げた」と振り返る。最優秀選手(MVP)にも選ばれた。太田さんは「ナイン全員が100%の力を出し、チームワークで勝ち取った日本一」と報告。富永さんは「9年間指導している選手もいる。本当にみんなよく成長した」と目を潤ませた。
自らも中学時代、ソフトボール部員だったという太田市長は「ともに戦った仲間との絆を大事にこれからも活躍してほしい」とねぎらった。