消費者庁が『子供の水筒持ち歩き』に注意喚起 原因に「怖すぎる」「想像してゾッとした」

『酷暑』という言葉がピッタリなほどの、凄まじい暑さが観測される日本の夏。
一般的に夏と定義される6~8月が過ぎても気温はなかなか下がらず、9月になっても毎年多くの人が熱中症で搬送されています。
熱中症対策は、何よりも水分補給が重要。定期的に飲み物を口にするため、ペットボトルや水筒を持ち歩いている人は多いでしょう。
子供用の水筒としてよく目にするのが、ストラップのついたタイプ。肩にかけることができるため、持ち運びやすく、紛失しにくいのが長所です。
しかし、時にはその形状が事故につながってしまうこともあるのだとか。消費者庁は、実際に起こった事故のケースについて、ウェブサイトで注意喚起を行っています。
水筒を持ち歩いている子供が転倒し、かけていた水筒がお腹に当たって内臓を損傷する事故が発生しているのだそうです。
全国の医療機関から、消費者庁や国民生活センターに寄せられた、転倒事故のケースは以下の通り。
・「水筒(1リットルの容器)を斜め掛けにして歩いていたところ坂道で転倒し、地面と水筒に挟まれる形で腹部を強打した。脾損傷のため集中治療室に入院し、保存加療で10日後に退院した。」(9歳)(※1)
・「通学中に友人と追いかけっこをしていたところ転倒し、斜め掛けしていた水筒が腹部の右側に当たった。痛みと嘔吐があり救急搬送され、小腸破裂、汎発性腹膜炎のため緊急手術の上、集中治療室に入院した。」(10歳)(※1)
・「登校中、走っていたところ硬い土の場所でつまずいて転倒した。その際、首から提げていた水筒が、地面とお腹の間に挟まり、腹部を強打した。内臓損傷により、膵臓50%程度及び脾臓を摘出した。」(7歳)(※2)
消費者庁 ーより引用
※写真はイメージ
水筒を肩にかけていると、本体は子供の腹部に位置します。
そのため、転倒した際に腹部に衝撃を与えてしまい、さらなるケガにつながるケースが相次いでいるのだとか。
まだ身体が未発達なため、転びやすい子供。消費者庁によると、子供は腹部臓器の占める割合が大きく、腹部の筋肉が弱いため、衝撃が加わった際に内臓損傷が起こりやすいとのことです。
前述したように、熱中症対策として水筒は欠かせないアイテム。そういったリスクがあっても、健康のためにできるだけ水筒は持ち歩かせたいものです。
水筒をしっかりと持ち歩かせ、水分補給をさせた上で、事故を防ぐのがベスト。消費者庁は、対策として以下の方法を挙げています。
○水筒はなるべくリュックサック等に入れましょう
○水筒を首や肩に掛けているときに走らないようにしましょう
○遊具等で遊ぶ場合は、水筒を置いて遊ぶようにしましょう
消費者庁 ーより引用
幼い子供を持つ人からは「そんなことがあるだなんて、怖すぎる…」「実際に想像してゾッとした」といった声が相次ぐ、転倒によって起こる事故。
この情報が広まり、ケガをする子供が減ることを祈るばかりです。
[文・構成/grape編集部]