ヌートリア駆除に自治体が本腰「特定外来生物の駆除」法改正で国から交付金が増額

海外から持ち込まれ、生態系に悪影響を及ぼす「特定外来生物」。その対応に悩まされてきた自治体が、自ら駆除に乗り出しました。その背景とは?
(広域狩猟連合豊橋 平野二義会長)「よしよし大きいのが入っている」Qこれは何ですか?(広域狩猟連合豊橋 平野二義会長)「ヌートリア」
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海外から持ち込まれ、生態系などに悪影響を及ぼす「特定外来生物」のヌートリア。南米原産の大型のネズミで、第二次世界大戦中、主に毛皮用に持ち込まれ、その後、野生化しました。(広域狩猟連合豊橋 平野二義会長)「硬い前歯で、イネもきれいに刈り取る」
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穴を掘るための鋭い爪、後ろ足には水かきもあり水辺に生息するのが特徴です。一見、かわいらしい見た目ですが、イネなどの農作物を食い荒らすうえ、繁殖力も強い「厄介者」です。(地元の人)「でかいネズミだなと思って娘に(写真を)送ったらヌートリアだと」「(市には)情報収集して有効に捕獲につなげてほしい」
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愛知県豊橋市によりますと、市では昨年度、ヌートリアによる作物の被害がおよそ120万円に上ります。また他にも、恐るべき繁殖力で増え続けるアルゼンチンアリなど「特定外来生物」に悩まされている現状があるのですが、これらを駆除するにはある問題が立ちはだかります。(豊橋市環境保全課 村田理行課長)「特定外来生物の目撃情報が多くて、どうにかしたいと思っていたが、限られた予算ではなかなか防除が進まなかった」これまで、「特定外来生物」の駆除は、生態系維持のため国が主体でしたが、ことし4月の法改正で市町村も駆除が“努力義務”になりました。これを受け、国は交付金を増やして、自治体の駆除活動を後押しすることになりました。
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(豊橋市環境保全課 山崎健さん)「法律が改正されたので(駆除を)事業としてやっていく」自らヌートリアの駆除に乗り出した豊橋市。おびき寄せるためのワナにも試行錯誤を重ね、設置からおよそ1週間後にヌートリアの捕獲に成功しました。
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(広域狩猟連合豊橋 平野二義会長)「(ヌートリアは)家族単位でいるので、1匹捕れたということは、あと2、3匹は続けて捕れる」(環境保全課 山崎健さん)「きのうもヌートリアの目撃情報があって、市内全域で分布していると感じている。今後も駆除していく必要がある」
あまりの多さに国だけでは対応が追いつかない「特定外来生物」。「今そこにある危機」に、自治体自らの取り組みが急務となっています。