9日から初開催「まるっとカルデラ農村フェス」村一丸で村おこしイベント…赤井川村・あの街行く北海道

赤井川村の魅力が詰まったイベントが、明日9と10日、村内のカルデラ公園で初開催される。「まるっとカルデラ農村フェス」と題した催しには、地産の野菜や出店などが並び、特産物が勢ぞろいする。中でも目玉となるのが、500円で限定販売される「村箱」。じゃがいもやカボチャなど、市価1000円以上の品が入っているが、その中に20箱、当たり券が入った物がある。その賞品は村で取れたばかりの新米が5キロ。それだけで2000円は優に超えるお得箱を用意し、来場を心待ちにしている。
38回続いていた「カルデラの味覚まつり」が、コロナ禍で20年から3年間、開催できなかった。活気を取り戻すべく、「違う形でもう一度、村おこしをしよう」と村が一丸となり、1月から準備を進めてきた。農業体験をゲーム形式で行い、農残物などがもらえる「あかりんピック」など、イベントも数々用意した。実行委員会の小野寺順一さんは「イベントの名前に『まるっとカルデラ』と、地域そのものの名前を入れるところから始めてきた。ここから新しいものをつくっていければ」と恒例の催しにするべく、思いを強くした。
村では10月中旬頃まで、パラグライダーを体験できる。運営する「パラライフ北海道」のホームページから予約すれば楽しむことができ、コースに応じて補助がつくものなどもあり、初心者でも安心して利用できる内容になっている。赤井川村観光協会では「タイミングが良ければ上空から雲海を見られることもあります」と言うように特別な経験ができるかも。
赤井川でしか食べられない味がある。昨年4月にオープンした「カルデラウンジ」のメニューに3種類の「ザピカンカ」がある。耳慣れないその品は、経営する数井バルバラさんの出身地・ポーランドの料理。農業を営む夫が栽培する甘みたっぷりのトマトを合わせるなどした独特の味が、評判を呼んでいる。来日11年目の数井さんは「村の食材を使ったメニューを提供したいと考え、ポーランドのストリートフードとして人気のザピカンカを作ってみた。普段はここでしか食べられない物。ぜひ味わってほしい」と話した。農村フェスにも出店するほか、22日からは札幌のオータムフェストでも商品を販売し、オンリーワンの味をPRする。
◆赤井川村 後志総合振興局管内の余市郡に位置する、カルデラ地形にある村。人口は1100人(9月1日時点)。主産業は農業で、米やじゃがいも、カボチャなどが名産。村内のキロロリゾートは冬のスキーなど、国内外を問わず、観光客に人気のスポット。山中牧場のソフトクリームも有名。馬場希村長。