ガソリンに“使用期限”ある?「超高いしクルマ極力使わないように…」でいつまでイケるのか

ガソリン価格の高騰が止まらないなか、環境によっては極力クルマに乗らずに公共交通機関を利用し、ガソリン代を節約する人もいるかもしれません。では、ガソリンに使用期限などはあるのでしょうか。
ガソリン価格の高騰が止まりません。資源エネルギー庁が発表の2023年9月4日時点におけるレギュラーガソリンの店頭販売価格(現金。以下同)は、1リットルあたり186.5円。16週連続の値上がりで史上最高値をつけています。 こう高くては極力クルマに乗らずに、ガソリン代を節約しようとする人もいるかもしれません。では、長期間タンクにガソリンが残ったままのガソリンに、使用期限のようなものはあるのでしょうか。
ガソリンに“使用期限”ある?「超高いしクルマ極力使わないよう…の画像はこちら >>長く給油していないとタンク内のガソリンが劣化することがある。写真はイメージ(画像:写真AC)。
石油の業界団体である石油連盟(東京都千代田区)は以前、「石油製品は基本的に『生もの』」とコメント。そのうえで次のように説明しました。
「たとえば備蓄用の軽油や灯油については、直射日光を避け、涼しい場所に密閉して保存した場合であっても、使用推奨期間として6か月を目安としています。ガソリンは個人が備蓄するのは危険であるため、使用期限などはあえて明示していませんが、劣化に関しては軽油や灯油と同等に考えてよいでしょう」
一方、出光興産によると、密閉状態で冷暗所に保管した場合でも「一般的には3か月が目安」とも。ただし、ガソリンが劣化する速度は光や空気の影響など、保存環境によっても大きく異なるため、「このくらいの期間なら大丈夫」とは明示していないそうです。
石油連盟によると、劣化したガソリンは酸化が進み、場合によっては燃焼不良などの不具合を引き起こす恐れがあるといいます。また出光興産は、長く放置されたガソリンは液化したゴムのようにベタベタした状態になり、機械の汚れや目詰まりの原因にもなるほか、最悪の場合は燃料タンクを腐食させ、ガソリン漏れを引き起こすおそれがあるとしていました。
劣化したガソリンは異臭もあるそう。こうなるとタンク内のガソリンをなるべく早く入れ替えていくことが重要ですが、ガソリンを残したまま何年も放置した車両などは、ロードサービスを呼ぶなどして専門家に抜いてもらったほうがよい場合もある、ということでした。
なお、ガソリン高騰をうけ、2023年9月7日より政府は、石油元売り会社に補助金を支給して卸価格を引き下げる補助金の拡充策を発出し、10月中には1リットル175円まで価格が抑えられる見込みと報じられています。
その一方でJAF(日本自動車連盟)は、ガソリン税などに上乗せされ続けている「当分の間税率」の廃止、およびガソリン税に消費税が課税されている「Tax on Tax」という不可解な仕組みの解消を求める声明を2023年8月に発出。減税によるガソリン価格の抑制を政府に求めています。