〈練馬区中学・わいせつ校長〉「校長先生が逮捕されました」全校集会で副校長の説明に生徒はドン引き、女子生徒は「怖い、撮られてないよね」と震えて…近隣からは「前の奥さんは出ていった」「今は若い女性と暮らし小さい子どもが…」の声も

今度は校長か。東京都内の公立中学校の現職校長が女子生徒のわいせつ動画を撮影、逮捕された。警視庁捜査1課は9月11日、練馬区立三原台中学校の校長、北村比左嘉容疑者(55)=練馬区中村南3=を児童買春・ポルノ禁止法違反(所持)の疑いで逮捕したと発表した。北村容疑者は同校の校長室で18歳未満の少女の裸を写した画像を保存したビデオカメラを所持していた疑い。調べに対し「以前に勤務していた中学校の女子生徒を撮影し、再び見ると思って保存していた」と容疑を認めている。
北村比左嘉容疑者
昨年11月に都教育委員会に、北村容疑者からわいせつ行為を受けたとする相談が寄せられ、勤務先を管轄する練馬区教委が被害者から聞き取り調査を重ねた末、今年7月に練馬署に情報提供していた。警視庁は9月10日に校長室や自宅を家宅捜索。校長室で押収したビデオカメラには別の少女を映したわいせつ動画も見つかっており、被害者は複数に及ぶとみられる。現職校長逮捕を受け、同区教委は翌11日夜に記者会見を開き、北村容疑者が2019年4月から同校校長を務めていたことを明らかにしたが、それ以前の勤務歴については子供たちへの配慮からと明言を避けた。
会見をおこなう教育委員会(撮影/集英社オンライン)
北村容疑者は主幹教諭時代、職業を紹介する専門誌のインタビュー記事に登場しており、この際の経歴は1967年生まれ。東京都立西高校、東京学芸大学教育学部A類理科卒。初任校は文京区内の中学校で、98年より練馬区内の中学校で進路指導主任をつとめた。インタビュー内で教師としてのモットーを問われると「中学校は学問を学ぶための土台を作る場です。生徒たちには新しいことをいっぱい吸収してほしいです」と答え、理科教師としての意気込みを語っている。また、東京都中学校理科教育研究会の名簿などによると、2016年からは練馬区内の中学校で副校長を務めていた。
校長の逮捕に関係者には衝撃が広がっている。三原台中の在校生の保護者で30代の男性は表情を曇らせながら、こう語った。「かなりショックですね。校長先生って学校のトップですから、そんな人間が務めていいわけがないと思うし、よく今までバレずにそんな地位までいけたと思いますよ。後ろめたさみたいなのを感じることはなかったんですかね。うちのは男の子なんで『アホだよね』と軽く反応してましたけど、全校集会直後はみんな引いた顔でどよめいてたみたいですよ。うちは下の子が女でまだ小学生なので、中学に上がる前に逮捕されて正直安心もしてます。でも、今、通っている女の子を持つ親御さんたちは、盗撮されてるかもって心配でしょうね…」また、女子在校生の保護者の40代男性は「他人事ではない」と話す。「まさか娘が通う学校の、しかも校長先生が逮捕されるなんて夢にも思わなかったです。心配になってすぐに娘に聞くと『校長だからそんなに関わりないけど、見た目は優しい感じだし驚いた』と言ってました。でも、もしかしたら三原台中でも性被害にあってる子がいるかもしれないし、盗撮してるかもしれないわけですよね。その辺をハッキリしてくれないと正直まだ落ち着けないですよ」
動揺が広がる三原台中学校(撮影/集英社オンライン)
男子生徒の保護者の40代の女性も、顔をこわばらせた。「本当に怖いですよ、あまり大人たちがざわついてるところを見せるのも子供に悪影響かなと思って気をつけてますけど、やっぱり不安です。この間、四谷大塚の先生の盗撮もあったじゃないですか。だから男女関係なく被害にあってるかもしれないですしね」塾帰りという三原台中の2年生男子生徒は、北村容疑者の「表の顔」には好印象を持っていた。「普段はあんまり関わりがなかったけど、夏休み前に薬物に関する講習会みたいなのを校長先生も一緒に参加してくれてて、おもしろく伝わるように頑張ってていい人だと思ったんです。校長先生って話が長くて退屈そうなイメージだけど、そういう感じじゃなく、ちょっと爽やかで話のおもしろい人だと思ってたので、かなり驚きました。事件については放課後に体育館で全校集会があって、副校長が『校長先生が逮捕されました』って事件の経緯を説明して、たくさん謝罪してましたね。集会は15~20分くらいでしたけど、かなり重たい内容だからあっという間でした。やっぱり男子より女子の方が引いてた気はしますね。『怖いよね、撮られたりしてないかな』みたいな感じで震えていました」
そのいっぽうで、学校では見せない北村容疑者のプライベートな一面も明らかになった。登記簿謄本によると北村容疑者は1999年に練馬区に約50平方メートルの宅地を購入、木造3階建て住宅を新築した。ここには前妻と住み始めたようだ。木村容疑者の母親と交流のあった近くに住む60代の女性が語る。「北村さんは今の奥さんの前に、別の奥さんがいたんですよ。そのときも子どもがいて、もう高校生くらいになってるんじゃないかね。でも7~8年前くらいに出て行っちゃって、しばらくはおばあちゃん(北村容疑者の母親)と2人で暮らしてましたよ。3年くらい前にお腹の大きい今の奥さんを見かけ始めたんで、再婚したんだなって思いました。だからまだ今の子は2歳くらいじゃないですかね。学校の先生だとは聞いたことあるけど、もう50歳越えてるのにお盛んだなあって感じましたよ。おばあさんは去年くらいから見かけなくなったから今は家族3人で暮らしてるのかな」
北村容疑者の自宅(撮影/集英社オンライン)
近隣の50代の女性は、家宅捜索に来た警察官を目撃したようだ。「中学の先生とは聞いてたけど、校長先生だなんてそんな偉い立場だったんですね。本当にごく普通の家庭って感じですよ。つい先月も親子3人で散歩してるところを見かけました。旦那さんがお子さんを抱っこしていて、いいお父さんしてるなと思いました。ご挨拶すればにこやかに返してくれますし、おだやかな先生っぽい方でしたね、悪いイメージは特にないです。でも昨日、私が買い物から帰ってきた午後2時すぎぐらいに、珍しくスーツと私服の3人組の男性たちが北村さん宅を訪ねてきていました。昔の教え子でも訪ねにきたのかなと思ったんですけど、今思うと警察の方だったんですね」奇しくも中学受験進学塾、四谷大塚の元講師、森崇翔容疑者(24)が9日に強制わいせつなどの容疑で再逮捕されたばかり。塾、学校での教育者のわいせつ事件が立て続けに起きている。ストレス時代に生きる子どもたちの居場所がますます厳しいものにならないことを、祈るしかない。※「集英社オンライン」では、今回の事件について取材をしており、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。メールアドレス:[email protected]X(Twitter)@shuon_news取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班