まだ暑いなか早くも「おせち商戦」

TBSラジオ『森本毅郎・スタンバイ!』毎週月曜日~金曜日 朝6時30分から放送中!
9月12日(火)放送後記
まだ9月の中旬、日中は暑い日も続いていますが今日はおせちの話題です。
なんと!早くも来年2024年のおせち商戦が始まっているんです。どれくらい早まっているのか?どんなものが売れ筋なのか?楽天グループ株式会社フード&ドリンク事業課・西本佑介さんのお話です。
楽天グループ株式会社フード&ドリンク事業課 西本佑介さん「楽天市場では、おせちの全ての売り上げのうち、昨年は約1割の方が9月までにおせちを購入しています。人気のおせちの在庫確保やお届け日指定などを考えて早めに購買される方が増えています。来年の2024年は気兼ねなく家族や親戚と集まれることから、大容量のおせち、豪華な食材を使ったもの、品目数の多いものなど奮発したおせちを購入する人が増えると予測しています。一方で自身の手作りのおせちと、単品おせちを購入して組み合わせて楽しむ人とか、例えば肉づくしおせちとかオードブルおせちなどの専用のおせちというのも人気が出てくると考えています。」
インターネットでのおせち販売が広がるにつれて、売り切れ前に人気のものを買いたいという需要で、早めにインターネットで購入する人が増えているんです。特にコロナ禍では、旅行などに行けず、せめておせちはいいものを楽しみたいという思いなどから、早くから吟味して購入する傾向がある、こういった流れで今もおせち商戦がどんどん早まっているようです。
楽天市場ではおよそ1万4000点のおせちを扱っていますが、8月から!すでに特集ページを設けて早期割引を行っているほか、期間限定で今おせちを買うと楽天市場内で使えるクーポンがもらえるなど、ネットならではのキャンペーンでおせち商戦、工夫していました。
インターネットの影響でおせち商戦が早まっていますが、では「百貨店」ではどうなのか?さすがに楽天ほど早くはないですが、大丸・松坂屋では今月22日からインターネットでの受け付けを開始します。どんなところに力を入れているのか、大丸松坂屋百貨店本社おせち担当・柴田智さんに伺いました。
大丸松坂屋百貨店本社おせち担当 柴田智さん「今年推していきたいのが「冷凍のおせち」。百貨店では生のおせちにこだわって、過去取り組んできた経緯があるんですけど、なかなか生おせちだけでは伸びしろの部分で心配があったので、新しく冷凍おせちをしっかり強化しようと取り組んでいます。お客様ご自身で解凍いただいて、出来立て感をご自身で味わっていただく形になります。食べる前の日に1日中冷蔵庫の中に入れておいていただいて、お重に入った状態でお届けするので、次の日にそのまま食べられる。冷凍のおせちのメリットとしては遠くの方にも日本全国お届けできるということと、配送で荷崩れしないので綺麗に盛りつけたおせちがそのままの状態でお客様の食卓にお届けできるというのがすごくメリットだと思っています。」
おせちをまるまる冷凍して配送するというんです。これまでの生おせちは大丸・松坂屋の店舗がある周辺にしか届けられなかったのが、全国に届けられるのがメリット。コロナ禍以降、帰省する代わりにおせちを贈る習慣が新たに生まれ「冷凍おせち」の贈り物としてのニーズも高まっているといいます。そうした需要をネットショップにばかりとられないように、という狙いもあるかもしれません。
ただ「冷凍おせち」に力を入れて売り出すまでには、その「冷凍」というイメージから苦労もあったようです。再び、大丸松坂屋百貨店 柴田さんのお話です。
大丸松坂屋百貨店本社おせち担当 柴田智さん「商品を開発していくときに、監修社さんも最初は「冷凍おせち」ってどうなの?というのがあってなかなか首を縦に振っていただけないこともあったんですけど、試作品を持っていって「今の冷凍おせちってこんなに美味しいの?このクオリティーなら十分やれるよ」とお返事をいただいた。以前から特集ページとか組んではいたんですが、今年改めて冷凍おせちを食べて、味が数年前に比べると格段に上がっていると実感した。この味だったらお客様にお届けしても全く遜色ないと感じたのでその実感を持って商品開発に取り組みました。昨年で2019年と比べて272%増ということで、売り上げのパイは小さいながらに非常に伸びているカテゴリーであるということははっきりしていますね。」
一番の懸念点が味・品質だったんですが、冷凍技術の進歩によって、冷凍しても「百貨店のおせち」の品質を保ったまま届けられるようになったそう。各社いろいろな工夫をしていますが、それにしても「9月に」「冷凍で」というのは、おせちも変わりましたね。みなさんは来年のおせち、どうしますか?