「指定袋を使用して」 “処理費用”含まれないため回収できず 旧ごみ袋はただのゴミ? 値上げ凍結後も混乱続く

身近なギモンや地域の困りごとを調査する「チャント!調査隊」。14日は、これまでに度々お伝えしてきた愛知県瀬戸市の「ごみ袋の値上げをめぐる問題」です。2か月前に値上げの凍結が決まり、9月から新たなごみ袋での回収が始まりましたが、市民の方から調査隊に困惑の声が寄せられました。一体、何があったのでしょうか。
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ことし7月、市長が公約を守る形でごみ袋の値上げが凍結された瀬戸市。それから2か月が経った9月5日、ごみの集積所に向かってみると…(荒川栞記者)「新しいオレンジ色のごみ袋が並べられています。ただ奥には黄色の旧ごみ袋が出されています。このごみ袋は9月1日に出されていて『指定袋を使用してください』と書かれています」オレンジ色のごみ袋と黄色のごみ袋が混在していました。その理由は…
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「旧指定ごみ袋で出されたごみは収集できません」と市のチラシに記載が。「燃えるごみ」については、9月から「オレンジ色」のごみ袋を使うことになり、これまでの「黄色」のごみ袋は使えなくなったのです。別の場所でも、注意を促す張り紙があるにもかかわらず、守られていない現状が…(市民)「一瞬間違えそうになった。以前のやつで出すところだった」なぜこのようなことが起きているのでしょうか。
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瀬戸市では去年3月、家庭用のごみ袋を値上げする条例が成立。狙いはズバリ「負担増に伴うごみ減量」。9月から45リットルの燃えるごみ袋10枚を、180円から500円にするなど最大で3倍近く値上げし、増え続けるごみ処理の費用に充てる予定でした。そこで「待った」をかけたのが…(瀬戸市・川本雅之市長)「一部改正について議案上程させていただきます」ことし4月の市長選で初当選した川本市長。6月議会にごみ袋の価格を据え置く条例改正案を提出し、その後可決。価格の据え置きが決まったのです。市はごみ処理の有料化を見据えて既に新しい「オレンジ色」のごみ袋を業者に発注していたとのこと。
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市内の酒店を訪れてみると、新しいオレンジ色のごみ袋がこれまでの「黄色」のごみ袋とほぼ同じ値段で販売。違いは色だけ…のはずが、なぜ回収されないのでしょうか。(瀬戸市・環境課 小川昌秀課長補佐)「(黄色の袋は)仕様などは瀬戸で決めて、売っている店によって値段がまちまち。去年3月議会で可決されたごみ処理費用が有料化ということで、(オレンジ色の袋は)大きさによって手数料が決まっている」
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9月からごみ処理費用が有料になった瀬戸市。これまでの「黄色」のごみ袋には「ごみ処理費用」が含まれていない、という理屈で回収できないとのこと。では「黄色」のごみ袋は今後、文字通りのゴミとなってしまうのでしょうか。(瀬戸市・環境課 小川昌秀課長補佐)「ミックスペーパー(プリントや包装紙など)古布、プラスチック製容器包装。これらを出すのに使える。ごみの減量に市民の皆様にご協力いただいて推進していきたい」いったん凍結された状態の「ごみ袋の値上げ」。その行く末が気になりつつも、ごみを減らすための試行錯誤が続きます。
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