ブログやSNSでドラマの感想や情報を発信して人気を博している、蓮花茶(@lotusteajikkyou)さん。
2023年7月スタートのテレビドラマ『トリリオンゲーム』(TBS系)の見どころを連載していきます。
ドラゴンバンクの黒龍一真(國村隼)に呼び出された、ハル(目黒蓮)、ガク(佐野勇斗)、祁答院(吉川晃司)。そこで、一真からトリリオンゲーム社の買収、ハルと黒龍キリカ(今田美桜)との婚約を提案されたのだった。
ドラゴンバンクからハルとガクにそれぞれ提示された300億は、サラリーマンの生涯年収2億を遥かに超えるものだ。
ガクは迷うが、ハルとともにトリリオンゲームを続ける決意をする。ハルは一真に買収の話を断り、今度は俺たちがお前を喰うのだと宣戦布告を突きつける。
ハルたちトリリオンゲーム社の次の目標は、群雄割拠の電子マネー業界だった。
一方、子会社のドラゴンスーパーに出向させられたキリカもまた、自社の電子マネーの拡大を考える。
狙うは交通系ICカードPASCAとの業務提携。ハルとキリカが、再び相まみえるが…。
ハルとキリカの婚約、二人とも性格もよく似ているし、お似合いのカップルである。二人が結ばれたら最強であろう。
だがそれはあくまでも二人が自主的に選ぶものであって、一真から強制的に決められるものではない。
世界一を競うワガママな二人は、誰かに人生を強制されて素直に従ったりしないのだ。
一真から婚約を命じられたハルの「もう俺結婚してるんで」は、キリカを傷つけない、さすがの切り返しだった。
キリカは物語の中ではワガママ娘と何度も評されてきた。だがそれは父親の一真の資本力に守られてのことだ。
どれだけワガママであろうと、父親から結婚しろと言われたら従わねばならず、左遷されても逆らうことはできない。それは本当のワガママなのだろうか。
夜のクルーザーの上での、ハルからのプロポーズという『共闘』の申し出は、なかなかロマンティックなシチュエーションだった。
並ぶ二人の姿は絵になっている。バランスを崩したキリカをハルが抱きとめたとき、「ここからラブロマンスドラマに変わるのか」とソワソワしてしまった。
キリカが想像する『普通の幸せ』の中のピクニック中のハルとキリカはほのぼのとしていたが、やはりそれは本来の二人ではない。
果てしない欲望を満たすためにビジネスの世界で、二人は生きているからだ。
互いに潰し合う運命のはずだった。だが、ここで初めて二人にとっての敵が同じになったのだ。
私鉄連合定例総会は、二人が一緒に裏で動いたことで逆転した。二人のタッグで、渡会長(大和田伸也)の老獪な企みも、見事にひっくり返すことができた。
今まで自分が命令することで人を動かしてきたキリカが、初めて誰かと手を組んで成功を収めたのだ。ハルやガクとのぎこちないハイタッチと、満足げな笑顔を浮かべるキリカは、とてもキュートだった。
ハルとキリカがお互いの利益のためにパートナーとして手を組んだ裏で、ガクと凛々(福本莉子)が机の下で頭をぶつけて見つめ合っていた。ここも急接近になるだろうか。
しかしガクの様子では、最終回を目前にしても、進展するにはまだ先が長そうな感じである。頑張れ、凛々…。
一方、今回感情の起伏が激しかったのは長瀬(竹財輝之助)だろう。彼は隣でずっと見ていたのだ。
キリカが結婚を命じられたり、子会社のスーパーに左遷されたり、ハルとのクルーザーデートに出かけたり、PASCAとの提携成功でハルたちとハイタッチしていたり、父親に業務提携を勝手に撤回されて激怒していたり。
そんな長瀬が大金を渡していた相手は、トリリオンゲーム社のトリンリンPayの開発者の松井(椿奈央)。
トリリオンゲーム社は会社存亡の最大の危機に直面する。
ハルと連れて行かれたカジノバーで、ガクが勝ったカジノチップを赤にオールインして、思いっきり負けてしまったのは、このフラグだったのだろうか。
ただ、あの時何もかもなくなったはずのガクの手には、ハルから渡されたカジノチップが残されていた。
ハルとガクはこの崖っぷちから逆転できるのか。次回いよいよ最終回!
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[文・構成/grape編集部]