【始める前に知っておきたい】買取ビジネス「集客」の方法は? 集客を成功させる”3のポイント”と共に解説

ウェブ上にも多数の買取店が出店している近年、店舗集客の重要性はますます高まっています。どんなに買取査定の知識や経験があり、サービスを充実させていても、効果的な集客ができていないと買取業者として安定的に経営していくことはできません。

そこでこの記事では、買取業の集客にはどのような方法があるのか、そして、集客を成功させるためには何を意識すればいいのかまとめました。買取業の集客方法やその成功ポイントを把握し、戦略的に売上をアップさせましょう。

■買取業の集客方法-オンライン編-

近年、買取ビジネスには多くの業者が参入しています。競合店が立ち並ぶ中で成功するには、より多くの顧客を集客しなければなりません。買取業で集客するにはどのような方法があるのか、まずはオンラインによる主な集客方法を見てみましょう。
<Googleマイビジネス・MEO>

Googleマイビジネス(Googleビジネスフィール)とは、検索やGoogleマップ上に店舗・企業の名前や住所、電話番号などの情報を掲載できるグーグルのサービスです。Googleのアカウントがあれば、無料で利用できます。

初めて買取店を利用する顧客のほとんどは、インターネットを利用して自宅近くの店舗を探すでしょう。顧客がGoogleで検索したときに自分の店舗情報が表示されれば、集客につながる可能性は高くなります。

また、MEOとは「Map Engine Optimization(マップ検索エンジン最適化)」の略で、主にGoogleマップ向けの地図エンジンにおいて、検索結果が上位に表示されるための施策を行うことです。検索結果は、Googleマイビジネスに登録されている情報の正確性やユーザーからの口コミなどから総合評価されます。

MEOによる集客効果を最大にするためには、検索ユーザーとの関連性を考えてキーワードを設定し、情報を常に最新のものにして充実させておくことが重要です。
<LINE公式アカウント>

今やスマホ利用者のほとんどがインストールしているであろう「LINE」を集客に使うのも効果的です。LINE公式アカウントを利用すれば、自社のキャンペーンやお知らせなどの情報をリアルタイムで顧客に発信できます。

また、「LINE査定」といって、顧客が売りたい品物の写真を送り、買取価格を見積もるサービスを行っている買取業者も少なくありません。顧客としては家にいながら査定してもらえるメリットがあるため、買取依頼の増加が見込めるでしょう。

また、LINE査定をするには、顧客に公式アカウントを友達登録してもらう必要がありますので、査定が終わったあとも、買取情報やキャンペーン情報を送信することで集客につなげられます。

LINE公式アカウントには3つの料金プランがありますが、無料プラン(コミュニケーションプラン)も用意されているため、まずは無料で始めてみるのもいいでしょう。
<自社店舗ホームページ・ブログ>

自社店舗のホームページを持つことも重要です。買取店を探している顧客からすると、ホームページのある店舗とない店舗では、ホームページがあってお店の情報を発信している店舗のほうが安心できるからです。

もちろん、ホームページで自社のサービスや商品の紹介、買取についての情報などを発信することで、他の業者と差別化でき、集客につなげることが期待できます。

また、ブログを更新するのもおすすめです。ブログ記事を更新すると、店舗の特徴が伝わるだけでなく、親近感や安心感を持ってもらいやすくなり、問い合わせ・査定依頼の増加やリピート客へのアピールにも効果があります。

ただし、ホームページやブログは更新作業が大切です。古い情報のままだったりブログ記事の更新が止まっていたりすると、集客効果としてはマイナスに働きますので注意しましょう。
<SNS>

先ほどあったLINEのほか、X(旧Twitter)やインスタグラム、FacebookなどSNSによる集客も欠かせません。SNSは、ホームページやブログと比べて時間をかけず、手軽に発信できるメリットがあります。

特にインスタグラムの場合、文字よりも画像や動画による情報がメインとなっているため、視覚に訴えかけるわかりやすい投稿を意識することで高い集客効果が見込めます。また、Xでは、フォローやいいね、リポストをしてくれた顧客にクーポンを配るといった施策ができるでしょう。

SNSを集客に利用する際は、それぞれのSNSの特徴をつかみ、高い集客効果が得られるよう工夫して発信することが大切です。
<ネット広告>

ネット広告には、リスティング広告やSNS広告、ターゲティング広告などの種類があります。リスティング広告とは、検索エンジンにおいて特定のキーワードを入力したとき、自社のサイトが上位に表示される広告です。

検索結果に「広告」「PR」などと表示されているサイトがこれを利用しており、ユーザーが広告をクリックすると課金される仕組みになっています。リスティング広告は、キーワードごとにクリック単価が異なり、「10万円が消化されるまで」というように自分で予算を決めて設定できるため、予算の使い過ぎを防げます。

SNS広告は、FacebookやX、インスタグラム、LINE、TikTokなどにフィード広告が入れられるものです。若年層をターゲットにしたい場合や、特定のターゲットを対象に広告を出稿したい時に役立ちます。

また、ターゲティング広告とは、ユーザーの興味や属性、行動履歴などをもとに、特定のターゲットを対象に広告を出稿するものです。自社サービスに関心のあるユーザーに対しピンポイントで広告を配信できるため、高い集客効果が期待できます。
<ポータルサイト>

ポータルサイトとは、インターネットにアクセスする際、さまざまなウェブサイトの「入り口」となるサイトのことです。代表的なものにはYahoo! やGoogleなどの検索エンジンサイトがありますが、Yahoo! のような大手サイトだけでなく、地域密着のポータルサイトや、買取専門店・リサイクルショップに特化したポータルサイトなどもあります。

これらのポータルサイトは、余計なサイトが引っ掛からずユーザーの欲しい情報が手に入りやすい作りになっているのが特徴です。買取業者として提供するサービス内容や商品の種類、買取価格や条件、口コミなどを紹介でき、また、ユーザーは買取業者の比較が可能です。

また、ポータルサイトには、自社店舗ホームページやSNSの運用などよりも多くのユーザーにアクセスできるというメリットもあります。無料で登録できるポータルサイトも多いので、積極的に活用しましょう。
■買取業の集客方法-オフライン編-

オンラインによる集客は今や欠かすことができませんが、オフラインによる集客にも一定の効果が見込めます。買取業でオフラインの集客をするなら、どのような方法があるのでしょうか。
<フリーペーパー・タウン誌>

紙媒体の集客を行うなら、フリーペーパーやタウン誌に広告を出稿する方法があります。フリーペーパーやタウン誌なら、普段SNSを見ない多くの人にも情報を伝えられます。また、フリーペーパーやタウン誌は配布地域を限定して制作されるため、買取店のような店舗ビジネスには有効な集客方法です。

フリーペーパーやタウン誌によっては、A4の1/16程度の小さい広告なら3~5万円程度で掲載できるものもありますが、利用する媒体や掲載する面積によっても広告料は変わりますので、予算や費用対効果をよく考え活用しましょう。
<折り込みチラシ>

折り込みチラシは、新聞に挟んで配るチラシのことです。新聞を購読している確率の高い中高年への訴求力が高く、買取の広告としては相性のいい方法です。また、店舗の周辺の人々に買取業者の存在を知ってもらえば、不用品を処分する際、自社店舗へ持ち込んでもらえる可能性も期待できるでしょう。

折り込みチラシの価格は1部につき3~4円が相場ですので、1万部出しても3~4万円、その他にチラシの印刷代が数万円かかりますが、比較的リーズナブルです。特に、キャンペーンを打ち出したいときなどに活用するといいでしょう。
<ポスティングチラシ>

ポスティングチラシは、顧客の家の郵便受けに直接チラシを投函するタイプの広告です。新聞の折り込みチラシと違い、新聞を購読していない一人暮らし世帯や若年層の世帯にも訴求できる特徴があります。

ポスティングチラシは、チラシの大きさと配布地域、配布枚数によって価格が変わり、その他に印刷代がかかります。A4やB4など通常のサイズであれば1部4円前後、大きなサイズでは最大で8~9円ほどになります。

ある程度配布対象を指定できるため、ターゲットを絞れば効果的な集客方法の一つになり得るでしょう。
<DM>

過去に買取をした顧客に対し、成約のお礼やキャンペーン情報、次回利用できるクーポンのお知らせなどをDM(ダイレクトメール)で送る方法もあります。すでに顧客になってくれた人を対象とするため、費用対効果は高くなります。

DMを送る対象者が多く手間がかかる場合は、業者に依頼することも検討してみましょう。
■買取業の集客を成功させるポイント3つ

ここまで、オンラインとオフラインのさまざまな集客方法をご紹介してきましたが、集客の施策はただ行えばいいというものではありません。買取業の集客を成功させるには、以下の3つのポイントを意識しましょう。
1.他業者と差別化されたメッセージを発信する

一口に買取業者といっても、扱う商品やサービス、店舗の特徴などは店ごとにそれぞれ異なります。それらを顧客にうまく伝えられないと、数多くある買取店の一つで終わってしまうでしょう。

高い売上を上げている業者は、自社の独自性が明確に伝わるようなメッセージを発信しています。「うちに買取を依頼するとこんなにお得になる」「他にはないこんなサービスを提供している」といったメッセージを意識し、集客をしていきましょう。
2.ターゲットを明確にする

集客では、「誰に売るか」を考えることも重要です。やみくもに宣伝をしても費用と手間ばかりがかさんでしまいますので、どのような人物にメッセージを届けるべきなのか決定したうえで集客を行いましょう。

ターゲットを明確にし、ターゲット層に訴求できる集客方法を選択することで、費用対効果の高い集客が実現できます。
3.集客方法は改善を繰り返す

より集客効果を高めるには、集客方法の改善を繰り返しましょう。選んだ集客方法で高い費用対効果が得られているかを把握するためには、データ分析を行い、効果が今ひとつであれば工夫を重ねたり、他の集客方法に変えたりする必要があります。

集客は無料でできるものもありますが、それなりの費用がかかる方法も多いです。予算の中で最大限の効果を発揮するためには、試行錯誤を繰り返すことが欠かせません。
■さまざまな方法を組み合わせて集客を成功させよう

買取業における集客は、オンライン・オフラインともにさまざまな方法があります。自社のターゲットを明確にし、訴求力の高い方法を選びましょう。ただし、今の時代、オフラインによる集客のみでは限界があります。紙媒体の集客に力を入れたい場合も、SNSなどインターネットを用いた集客もあわせて行いましょう。

武藤貴子 ファイナンシャル・プランナー(AFP)、ネット起業コンサルタント 会社員時代、お金の知識の必要性を感じ、AFP(日本FP協会認定)資格を取得。二足のわらじでファイナンシャル・プランナーとしてセミナーやマネーコラムの執筆を展開。独立後はネット起業のコンサルティングを行うとともに、執筆や個人マネー相談を中心に活動中 この著者の記事一覧はこちら