障害があり、車いす生活をしている人たちの願いを「水中で叶える」イベントが愛知県豊橋市で開かれました。その願いは「愛する人を抱き上げたい」です。17日、豊橋市の屋内プールで開かれた「アモーレリフティング」というイベント。“愛する人を抱き上げる”ことが目的です。参加したのは、愛知と大阪の車いす生活をしている人とその家族ら5組のみなさん。
「愛する人を抱っこしたい」車いす利用者が“浮力”を使ってプー…の画像はこちら >>
(NPO法人日本プール利用推進協会・山本彩海代表理事)「脊髄損傷のお母さんが自分の子どもを抱っこできなくて『おじいちゃんおばあちゃんに懐いてしまって切ない』と聞いたので…」
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プールの中では水の浮力のおかげで、車椅子生活をする人でも自分の足で立つことが可能に。大切な人を抱き上げた瞬間を写真に残そうというものです。夫と子どもの家族4人で参加した桂真梨菜さん(30)。(桂真梨菜さん)「水中で“できないをできるに変える”というのが面白いなと思った」桂さんは6年前、息子を出産した際のトラブルで脊髄を損傷。以来、車椅子生活になりました。(桂真梨菜さん)「普段なかなか陸上では立って抱っこをすることが難しいので、きょうは両手に子どもたちを抱えて写真を撮れたらなと」
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夫の昌平さんも、サポートしながら子どもたちを水中で抱っこさせたいと意気込んでいましたが…子どもたちが水を怖がり残念ながらNGに。そこで!体重100キロを超える昌平さんに被写体を変更。妻が夫をおんぶするという水中だからこそ出来る構図にします。(桂真梨菜さん)「立場が逆になったのが新鮮」(夫の昌平さん)「変な感じとしか言いようがないというか…新鮮な感じ」(桂真梨菜さん)「水中で立つのも貴重な経験だし、旦那を持ち上げるのもおんぶしたのも初めてだったので、貴重な経験になった」
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参加したみなさんは、普段は味わえない感覚を楽しんでいました。(知人と参加)「普段やらないので新しい感覚だった」(親子で参加)「(Q.お母さんにだっこしてもらった記憶は?)ない。楽しかった」「普段スキンシップが取れないので、水中で肌を重ねることはない」
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ところで、文部科学省によりますと民間の屋内プールで「障害者用のトイレがない」「スロープがない」という施設は約80%にのぼっています。誰でも気軽に使えるように「改善は急務だ」と山本さんは指摘します。(NPO法人日本プール利用推進協会・山本彩海代表理事)「プールが地下1階や2階にあってそこへ行くエレベーターがないことがあるので、そもそもプールにたどり着けないことが公共のプールでさえいっぱいある。誰もが使いやすいプールにしていきたいと思っている」誰もが使いやすいプール。アモーレリフティングには、プールの魅力を誰もが享受できる社会であってほしいという願いも見えてきます。
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