まるでロボット戦闘車?防衛省が計画する「無人水陸両用車」の未来感あふれる戦い方とは

戦闘も輸送もできる?
防衛省は、このほど公表した2023年度の「事前の事業評価」で、2024年度予算の概算要求に盛り込んだ「無人水陸両用車」の運用構想を明らかにしました。
まるでロボット戦闘車?防衛省が計画する「無人水陸両用車」の未…の画像はこちら >>陸上自衛隊の水陸両用車「AAV7」(画像:アメリカ海軍)。
現在、陸上自衛隊は装軌式水陸両用車「AAV7」を配備しています。ただ、日本の島嶼部は車両の上陸に適した砂浜は少なく、中でも南西諸島は障害となる珊瑚礁が多いため、実際に活躍できる場面は限られます。 防衛省は計画されている「無人水陸両用車」について、珊瑚礁を乗り越える能力を持ち、島嶼部の「あらゆる正面」から上陸が可能としています。島嶼部が敵に占拠された場合、この車両を上陸させて前進拠点を確保したり、味方部隊に補給品などを輸送することが想定されています。 また、有人車両と無人車両を開発し、有人車両から複数の無人車両を操作することを視野に入れているようです。島嶼の奪回作戦では、まず無人車両が前衛部隊として突入し、自律的な機動や火力を発揮。輸送作戦では、有人車両が無人車両を統制してコンボイ(車列)輸送を行うとしています。 実用化されれば、港湾などの使用に制約がある場合でも、補給品を迅速に輸送することが可能になります。防衛省は「達成すべき目標」として、海上機動を考慮した車体の軽量化や、乗員が搭乗した場合の安全性の確保、AI技術の活用によって自律的に各種性能を発揮させることなどをあげています。 今後は2024年度から2025年度まで開発試作が実施される予定。2028年度を目途に装備化を目指すとしています。近い将来に「ロボット戦闘車」のような新兵器が登場するかもしれません。