新型コロナの全国の感染者数は全数把握ではなくなりましたが、定点あたりの報告数は増加傾向にあります。
今増えているのが、オミクロン株の新たな系統「EG.5.1」、通称「エリス」です。国立感染症研究所は、国内の6割以上がエリスだと推定しています。
「エリス」は、オミクロン株のXBB株からの派生型ですが、直近で感染した人はエリスには感染しないのかというと、産婦人科医の丸田佳奈さんは「そうとは言えない」と言います。 丸太さんによると、「免疫を逃げて感染する可能性があり、直近でかかっていても、ウイルスがエリスでなければ感染する可能性がある」と指摘します。 20日から始まった秋接種ワクチンは「XBB.1.5」に対応していますが、「エリス」への効果について丸田さんは「同じ程度の効果が期待できる」とし、他にも多く確認されているXBB.1.16やXBB.1.9でも、感染予防と重症予防の効果が期待できるということです。 全国の新型コロナワクチン接種率は、3回目接種は68.77%です。1回目からみると徐々に減っています。また2022年秋に行われた接種は52.3%となっていて、ワクチンへの関心が薄れているように感じます。
接種の必要性について丸太さんは、「接種してから6カ月ほどたつと予防効果は下がり、1年ほどが経過すると得られなくなってくる」と話し、高齢者など重症化リスクのある人は特に打つことが大切だと話しました。 現在は、新型コロナによる患者だけでなく、他の感染症や熱中症などで救急医療は逼迫している現状を踏まえ、丸太さんは「まず重症化しないことが必要で、予防としてワクチン打つのは有効だ」と指摘しました。