太陽生命少子高齢社会研究所は9月19日、世界アルツハイマーデー(9月21日)にあわせて「認知症に関する調査」の結果を発表した。同調査は8月4日~7日、30~70代の男女1,000人を対象に、インターネットで実施した。
私生活の中で、認知症の人の介護を行ったことがあるか尋ねたところ、5.4%が「自分が中心となって行ったことがある」、9.6%が「自分が中心ではないが行ったことがある」と答えた。
2023年の6月に成立した「認知症基本法」に関する理解度を尋ねると、64.9%が「知らない」と答えた。「知っている」は35.1%、「理解している」は7.8%に留まった。
認知症の人にとっての生活の中で障壁となっていると感じたものや出来事について聞くと、65.2%が「そのようなことを考えたことがない」と回答した。「ある」と回答した20.7%の人に、障壁となっているものは何か尋ねると、「周囲の理解・サポート不足」(10.6%)が最も多く、「社会の理解不足」(8.2%)、「支援・制度の不足」(7.7%)と続いた。
「認知症」と聞いて思いつくイメージを自由回答で答えてもらったところ、「物忘れ」「徘徊」「記憶力の低下」など、認知症の症状に関する回答が上位に集まった。自由回答の内容を「ネガティブ」「ポジティブ」「ニュートラル」「特になし・わからない」の4つに分類すると、ネガティブなイメージの回答が8割を越えている。
認知症に関する理解度について、「理解している」(よく理解している、それなりに理解しているの合計)の回答が最も多かった項目は「症状」で、50.8%と半数を超えている。しかし「認知症の人の割合」を理解している割合は1割未満にとどまったことから、2025年問題のような認知症者の増加が見込まれる日本の現状についても十分に知られていない可能性が考えられる。
認知症の前段階と考えられる状態の「MCI(軽度認知障害)」という言葉や知識、リスク判定検査について知っているか尋ねたところ、81.1%が「知らない」と答えた。認知症介護経験のある人でも認知度は53.7%にとどまっている。
「自分自身がMCIであるか否か」について知りたいか尋ねると、43.8%は「知りたい」、20.1%が「知りたくない」と答えた。知りたくない理由としては、「MCIであることを知ったとしても、対策がとれない」が最も多かった。しかし、介護経験があったり、介護をしていたり受けていた人が周囲にいた人は、「知りたい」の回答が半数を超えている。